高齢運転者の交通事故が増加の原因は?傾向や事例から対策を考察

先日の11月12日に、東京都立川市の病院で、東京都国分寺市の職業不詳、 上江洲幸子さん(83)が運転する車にはねられて、30代の男女2人が死亡するという痛ましい事故が起こったばかりですが、最近は特にこういった高齢の運転者が起こす交通事故が多発していますね。

上江洲幸子 事故

今後も日照時間の減少や冬季の路面の悪化など、交通事情が悪化する時期ですし、ますます進む高齢化社会の中でこの問題は深刻化していくでしょう。

という事で今回は、最近起きた高齢運転者の交通事故の事例やその原因、また法的な問題や高齢者の運転技術などについて取り上げ、それらから今後の対策を考察してみたいと思います。

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急増する高齢運転者の交通事故 最近の実際の事例と事故の原因

では最近よく耳にする高齢ドライバーの交通事故のニュースですが、まずは近年起こった有名な事故・原因を取り上げてみたいと思います。

2016年10月21日、秋田県由利本荘市米坂の日本海沿岸東北自動車道で軽乗用車が高速道路を逆走。同乗者を含む3人が死亡。

21日午前4時ごろ、秋田県由利本荘市の日本海東北自動車道下り線の大内ジャンクション(JCT)入り口付近で、秋田市に向かって北上していた大型トラックと、ジャンクションを逆走してきた軽乗用車が衝突した。

この事故で軽乗用車に乗っていた農業佐々木武二さん(76)と、同乗されていたお二人の計3人が亡くなられました。

2016年10月28日、神奈川県横浜市にて87歳の男性が運転する軽トラックが集団登校する児童の列に突っ込み、小学生ら7人の死傷者を出す。

この運転者には認知症の疑いがあり、現在も検査が進められているそうです。また事故発生時、スピードを出しすぎていた疑いも持たれています。

なお、容疑者運転者の男性は2013年の免許更新時に認知機能検査を受けたが異常なし。それから3年、次の更新と検査を来月に控えての惨劇でした。

2016年11月10日、栃木県下野市薬師寺の自治医科大学付属病院に84歳運転の車が突っ込み、1人死亡2人けが

車を運転していた茨城県の小久保益男さん(84)が、内科で治療を終えて帰宅する途中に正面玄関脇のバス停に突っ込み、ベンチに座っていた女性をはねた後、通路に乗り上げて鉄柱と壁にぶつかって止まったという事です。女性は頭を強く打って間もなく死亡し、避けようとした女性2人も重軽傷を負った。

現場にブレーキやスリップの跡はなく、県警は何らかの運転ミスが原因とみているそうです。

小久保さんには認知症などの症状は見られないとの事。

2016年11月12日、東京都立川市「災害医療センター」病院駐車場で上江洲幸子さん(83)の運転する車が暴走し、男女2人をはね死亡

12日午後3時ごろ、立川市の国立病院機構災害医療センターで、上江洲幸子さん(83)が運転する乗用車が駐車場を出ようとしたところ、暴走し、30代の男女2人がはねられて死亡しました。

その後の関係者への取材で、車を運転していた上江洲さん(83)は、「運転には慣れない」と知人に話していたほか、現場の病院に入院した家族の看病で寝不足の状態だったことが分かりました。

と、ここ1,2ヶ月だけでも高齢運転者の起こされた重大な死亡事故はこれだけあり、2016年上半期、2015年、2014年と遡れば同様の事故が数多く発生しております。

また近年の交通事故死者数は全体で見れば減少傾向にあるものの、高齢者の起こす事故は増加しており、現在では全年代の交通事故のうち約2件に1件を高齢者が起こしているそうです。

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高齢者が起こす交通事故の割合は全体の2分の1 反応速度の劣化や認知症、慢心傾向が原因?

少子高齢化時代に本格的に突入している感のある日本ですが、それでも交通事故を起こす割合が高齢者(65歳以上)だけで全体の1/2というのは、流石に問題だと思われます。

実際の事故の原因としては認知症に伴う運転操作のミス、反応速度の劣化による危険察知の遅れ、また意外にも自身はまだまだ若者と比べて劣っていないという価値観や長年の運転による慢心が多く関係しているようでした。

認知症の方の運転の危険性は様々なサイトで詳しい説明が上がっていますが、反応速度については運転シミュレーターを使った実験によると、高齢者の反応速度は若者に比べて平均で0.7秒も遅いそうで、これは時速60kmで運転している車なら12mほど多く進む計算になります。

また高齢者の中でも年齢が上がるほど交通ルールよりご自身の経験則を重視する傾向が強いようで、ある調査では75歳以上のドライバーでは半数以上が自分の運転テクニックなら事故を防げると考えているそうです。

上記の科学的に診た身体の衰えと合わせて考えると、ゾッとしてしまいますね…。

高齢者の免許返納や法的規制は?

また普段あまり車を運転していなくて、久しぶりに運転したらご自身の身体能力の衰えに怖くなって、免許を返納される高齢者の方もいらっしゃるようですが、普段から頻繁に運転され、慣れている高齢者の方ほどそういった危険を察知し辛いようです。

また現在の日本の法律では基本的に運転免許は一度取得すれば剥奪される事がない限り、一生有効な資格となっていますし、80代、90代の方でもバリバリのドライバーはいらっしゃいます。

現時点で70歳以上の方の免許更新に関しては高齢者向けの講習の受講が義務付けられましたが、免許の失効は強制されていません。

それは過疎化の進む地域などでは自動車が唯一の交通手段となるケースも多く存在するためと、人間の老化は個人差によるところが大きいため、年齢で制限するのは難しい事が挙げられると思います。

しかしそうは言っても、実際に高齢者の方が引き起こす交通事故が多発し社会問題に発展しつつあるのが現状ですから、何か大幅な改革の必要性に迫られているのかも知れませんね!

まとめ

という事で今回は急増する高齢運転者の悲惨な交通事故の問題について、最近の事例や高齢者の身体的・思考的傾向、また法律や過疎地域などにおける現実などを取り上げてみました。

これらの問題は何も最近になって取り上げられるようになった訳ではなく、随分前から懸念されてきた事ですが、今後その心配が加速度的に現実化する恐れもあると思います。

しかし高齢者の方から免許を取り上げる事が現実的にナンセンスなら、高齢者の運転の負担を軽減したり、地方のインフラを整備する必要があると個人的には考えますね。

また国内の自動車メーカーからも最近は高性能の安全性能を備えた車が開発されていますし、それらの標準装備や購入の支援なども政府などには検討してもらいたいですね。

税金など国民の負担増という問題でなかなか一筋縄ではいかないと思いますが、だからこそあらゆる世代が手を取り合い、ひとつになって豊かな日本の未来を築き上げていく必要があるのではないかと思いますね!