2011年3月12日の朝、アメリカ・メリーランド州ベセスダにあるスポーツ用品店「ルルレモン」で、重傷の女性と死亡している女性が発見された事件が、11月15日放送のテレビ朝日系「特捜X実録映像コップ」で特集されます。
2人は共にこの店の従業員で、生き残った女性は、
前日の閉店直後に、2人の男性によって襲撃された
と証言していたようですが、その後の捜査で、この事件は予想外の事実が浮かび上がってきます。
果たして、この事件の犯人は誰で、真相はどのようなものだったのでしょうか?
この記事では、「ルルレモン殺人」とも呼ばれるこの事件について迫ってみたいと思います。
※この記事は、海外サイトの情報を中心に参照しております。多少の誤訳等がある可能性もありますが、ご容赦ください。
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目次
ルルレモン殺人事件の発見経緯
それではまずは初めに、2011年にアメリカ・メリーランド州ベセスダのスポーツ用品店「ルルレモン」で起きた、女性殺害事件の経緯から見ていきたいと思います。
この事件を最初に発見したのは、事件発生の翌朝に出勤してきた同店舗従業員のレイチェル・エルトリさんでした。
エルトリさんは同日、商品や血が散乱した店内を見て正常でないことを察知し911に電話しました。
役員が駆けつけると、店員用のトイレで拘束されていたブリタニー・ノーウッドという当時29歳だった女性従業員を発見。
— ねたろう (@cQxPGoKcnpEOn4Y) November 15, 2019
↑はブリタニ―・ノーウッド
さらに廊下の奥で、うつ伏せで倒れているジェイナ・マリーさんという30歳の女性従業員を発見しました。
— ねたろう (@cQxPGoKcnpEOn4Y) November 15, 2019
↑はジェイナ・マレーさん
残念ながらジェイナさんは既に死亡していましたが、生き残ったノーウッドの説明によると、事件の経緯は、
- 前日の閉店後、ノーウッドが財布を忘れたのに気付いたため、ジェイナさんに鍵を開けてもらい2人で店内に戻った時に、2人の男によって襲撃された。
- 男たちはスキーマスクを付けて強盗し、さらに2人の女性従業員に一晩中、性的暴行を加えた。
- 抵抗したジェイナさんは犯人達に殺害され、ノーウッドもトイレに監禁された。
といったものだったようです。
警察も発見当初は、この証言を疑わなかったそうですが、その後の捜査や法医学的な証拠によって、事件の真相はノーウッドの説明とは到底一致しないことが明らかになりました。
ジェイナ・マリー殺害の真相 ブリタニー・ノーウッドが犯人であることを示す証拠が見つかる
その後の捜査によって、ジェイナ・マリーさんはハンマー、レンチ、ナイフ、ペグ、金属の柱(商品棚)といった武器で、300回以上に及ぶ攻撃を受けていたことが判明しました。
さらにジェイナさんの傷の100箇所以上は、手と前腕を含む体の一部を使って身を守ろうとしたことで出来ていたことも分かり、多くの暴行を受けてもなお生きていたと推測され、必死に抵抗していたようです。
実際に、ジェイナさんの検死を行った医療検査官が、
これほど多くの防御的な傷を見たことがない
と述べるほど、凄惨な暴行だったようです。
こうした残忍で長期にわたる攻撃の末、ジェイナさんは暴行を受けてから約15分後に亡くなったと判断されました。
さらに、事件現場には2組の足跡しかなく、その1つはノーウッドのもので、もう1つは31.5㎝(アメリカサイズの14)のものでした。
そして、この31.5㎝という大きなサイズの靴は店内からすぐに発見され、ノーウッドが誰かに疑いの目を向けるために、自身が履いて歩き回って、足跡を付けたことが推測されました。
ちなみに、ノーウッドも発見時は外傷を負っていたのですが、それらは表面的なもので、おそらく自傷行為と見られ、ジェイナさんが受けた深い傷とは大きく異なるものでした。
さらに、店の前に違法駐車されたジェイナさんの車は、通りのかなり下まで移動されており、かつ車内にはノーウッドの血が飛び散っていました。
これについてノーウッドは、襲撃した男性に車を移動するように命令されたと説明していたようですが、
何故、そのまま逃走しなかったのか?
と尋ねられると、答えを失っていたと言います。
また捜査によって、ノーウッドが主張したような性的暴行を受けたという証拠は、ノーウッドからもジェイナさんからも見つかりませんでした。
(一応、ジェイナさんのズボンの股部分には切り込みが入れられていたようですが、これはノーウッドがジェイナさんの死後に入れたもののようです。)
こうしたことから、警察はノーウッドが証言していた男性の襲撃や性的暴行などは存在しなかったと判断していたようです。
ブリタニー・ノーウッドをジェイナ・マレー殺害の犯人として逮捕 動機は万引き発覚を恐れたためだった
前述したような経緯によって、ブリタニー・ノーウッドはジェイナ・マレーさんを殺害した容疑で逮捕されたのですが、ノーウッドの犯行動機は以下の通りだったそうです。
ノーウッドとジェイナさんは共に、ベセスダの「ルルレモン」で働いていましたが、事件当日の閉店前に行われた盗難防止のバッグチェックで、ジェイナさんがノーウッドのバックの中に、購入されていない、盗難の可能性が高いレギンスを見つけました。
ジェイナさんとノーウッドは、直接この問題について話し合わなかったそうですが、ノーウッドは捕まると考え、ジェイナさんを黙らせようと計画を立てました。
(実際は、ジェイナさんが店長に電話で報告していたという情報も見受けられます。)
そして2011年3月11日の午後10時頃、ジェイナさんの携帯電話にノーウッドから連絡が入り、15分前に店を閉めた時に財布を忘れてしまったので、店に戻してほしいとノーウッドは頼みました。
ここまでは、当初のノーウッドの説明とも一致するのですが、その後に起きた事実はノーウッドの証言とは違っていました。
実際には、ノーウッドとマリーさんは店内に入ると争い始めたそうですが、すぐにエスカレートし、マリーさんが20分も経たないうちに亡くなってしまったのでした。
ちなみに、当時2人が言い争っているのを、隣の「Apple Store」の従業員が聞いており、
神様、助けて…、助けて
という声も聞いたそうですが、アップルの店員は単なる「作り話」だろうと思い込み、警備員も含め、それ以上の確認や通報をしなかったそうです。
またノーウッドには、それまでに犯罪歴はなかったものの、大学時代から物を盗むという噂が囁かれていて、当時のチームメイトからは、
ロッカーを見て、鍵をかけ続けて
などと言われ、警戒されていたようです。
そして、ルルレモンでも同様の噂があり、同店でも特に評判の良い従業員ではなかったそうです。
ブリタニ―・ノーウッドの裁判 仮釈放なしの終身刑に
2011年11月、6日間の裁判の後、ブリタニ―ノーウッドは第一級殺人罪で有罪になり、2012年1月に仮釈放なしの終身刑が宣告されていたようです。
裁判当時、ノーウッド側はジェイナさんの殺害については認めたものの、あらかじめその意図があった訳ではなかったと主張。
争いがエスカレートするにつれて正気を失ってしまい、殺害に至ってしまったと説明していたようです。
この裁判が行われたメリーランド州では、計画的な殺人は仮釈放の可能性のない終身刑となり、第二級殺人(殺意をもって故意に人を殺害したが、計画的ではない殺人)は最大30年の服役で、15年後に釈放される可能性がありました。
裁判の結果、ノーウッドは、陪審員の全員一致で第一級殺人罪で有罪となり、仮釈放なしの終身刑が宣告されました。
この結果を受けて、ノーウッド側は2014年に控訴しましたが、2015年にメリーランド州の控訴裁判所はノーウッド側の「圧倒的な罪悪感」を理由に要求を拒否し、上述の刑が確定したようです。
ジェイナ・マレーの人柄 明るく賢い女性だった
また、ジェイナマレーさんはとても賢い女性で、さらにスポーティーで明るく、多くの友人が居て、ルルレモンでも信頼された従業員でした。
ジョンズ・ホプキンス大学の大学院生であるマレーさんは、明るく、愛情深く、思いやりがあり、知的で、冒険好きで、彼女の家族に専念していました。
生前はよくバレーボールをし、殺害される少し前の30歳の誕生日にはバンジージャンプもしていたそうです。
— ねたろう (@cQxPGoKcnpEOn4Y) November 15, 2019
また、ジェイナさんのご両親やご兄弟も、この事件の裁判に出席し、生前のジェイナさんの素晴らしい人柄や消えることのない喪失感などを訴えていたようです。
終わりに
明るく美しい女性だったジェイナ・マレーさんが殺害された事件の経緯や概要について、簡単にではありますがご紹介させて頂きました。
ついカッとなって凶行に及んでしまうということは、人間なら状況によってはあり得なくもないのかも知れませんが、300箇所以上の傷を付けるという行為はあまりにも残虐と言わざるを得ませんね…。
また、隣人が当時の騒音を聞いていたということで、対応次第ではジェイナさんの命も助かったかも知れず、そこも残念だったなと感じます。
そして何よりブリトニー・ノーウッドには、自分の犯した罪の重さを受け止め、真摯に償っていって欲しいなと思います。
本記事の情報参照元:
https://en.wikipedia.org/wiki/Lululemon_murderなど