10月17日放送の日本テレビ系「ザ!世界仰天ニュース」では、中国で”タラ”として偽装された魚で、体調不良を起こす人が続出した話題について、取り上げられるようです。
同番組の予告によると、被害者の方々はその魚を食べて「体から油が出た」との事ですが、調べてみると、どうやら”バラムツ”という魚が、偽装タラとして用いられ、中国などで度々問題視されているようです。
という事でこの記事では、そんなバラムツの偽装の問題の概要や、バラムツの毒性や味といった話題について、探ってみたいと思います。
中国で起きた有害深海魚”バラムツ”の偽装とは
それではまずは初めに、バラムツが偽装魚として用いられているという問題について、見ていきたいと思います。
バラムツが偽装魚として用いられているという話題は、これまでに何度も取り上げられてきたようですが、その一例としては、2009年5月のニュースで、以下のように報じられていました。
北京市の楽天マート(日本の楽天株式会社とは無関係)で、タラの切り身として販売されていた魚を食べた生後9ヶ月の乳児の便に異常が現れたとして、その母親が販売元に問い合わせたところ、その切り身はタラのものではなく、食べると人体に害を及ぼす可能性のあるバラムツという魚の切り身であることが発覚した。
このケースでは、2009年の5月8日に、楽天マート北京酒仙橋店でタラと表示された魚を購入した主婦が、販売員に“この魚は骨も少なく、小さな子供でも食べられる”と聞いた為、生後9ヶ月の子供に与えたところ、その後数日間にわたって、子供の便に黄緑色の油のようなものが混ざっていることに気付いたとの事です。
その後、主婦が楽天マートに問い合わせたところ、子供が食べた魚の切り身はタラではなく、バラムツという魚の切り身であることが発覚したとの事です。
また違う例としては、2012年4月にも、「(中国の)市場でタラとして出回っている魚の大半がバラムツである」、というニュースが報じられていたようです。
2012年4月23日、中国中央テレビ(CCTV)が「市場にタラとして出回っている魚の大部分はバラムツである」との調査報告を報じた。
シンガポール華字紙・聯合早報が伝えた。
この時の報道によると、中国の複数の新聞などが、一部のスーパーで「タラ」として買った魚がバラムツだったという報告があった事や、大手スーパーが「タラ」を店頭から撤去したなどと伝えていたようです。
また広州水産集団の専門家によると、「中国ではめったにタラは捕れないため、ほとんどを輸入に頼っていて、輸入されても、高級ホテルや西洋レストランなどにしか入らず、市場に出回ることはほとんどない」などと分析していたようです。(参照:http://news.livedoor.com/)
これらのニュースの他にも、タラではないものの、サケの偽装魚として、バラムツが中国のレストランで提供されていた疑惑なども浮上していたようです。(参照:http://www.narinari.com/)
といったように、中国でのタラの流通事情などを考えると、似たような偽装行為は他にも起こっているのかも知れませんね。
バラムツの毒性や食べた際の症状 下痢になり、尻から油が止まらない?
そんな中国を中心に、多く報告されているバラムツを用いた魚の偽装ですが、実際のバラムツには、どんな有毒な物質が含まれているのかについて探ってみたいと思います。
バラムツは数百メートルの深度に生息する深海魚だそうですが、脂肪分が高く、そのほとんどが人体で消化することのできないワックスエステルという成分なため、大量に摂取すると皮脂漏症(皮膚から油が漏れる病気)を起こしたり、消化吸収されなかった油脂が肛門からそのまま漏れ出す、あるいは下痢や腹痛を起こす場合があるのだそうです。
さらには、多量に摂食した場合は、昏睡状態に陥る重篤な症例も報告されているそうです。
という事で、バラムツは食べ過ぎると下痢やお尻から油が漏れ出す症状を引き起こすようですが、油が肛門から漏れる際は、便意などは一切生じず、そのまま垂れ流す状態になるそうですので、実生活においてはかなりのリスクを伴いそうですね…。
(本段落の情報参照元:wikipedia、など)
バラムツの味は? 刺身で食べると濃厚で旨い?
一方でバラムツは、しっかりとした歯応えや大トロのように濃厚な脂分など、味はとてもよい魚だと言われているようです。
— ねたろう (@cQxPGoKcnpEOn4Y) April 4, 2019
上記の画像はそんなバラムツの刺身だそうで、見るからに脂が濃厚な見た目ですが、意外としつこくなく、生臭さもなく食べやすいなどとも言われているようです。
また、煮付けや塩焼きなどにしても、美味しいと言われているようです。
バラムツは、日本では食品衛生法で販売が禁止されているのですが、販売が禁止されているだけであって、自ら釣り上げるなどして食べることは日本でも可能なのだそうです。
また、その油分の毒性は弱く、少量なら食べても問題はないと言われる事から、自ら釣って食べる好奇心溢れる方もいらっしゃるようです。
食後は紙おむつが必要とも言われているようですが、個人差はあるものの、ネット上の意見では大体刺身で3切れくらいは大丈夫だと言われているようです。
(あくまでネット上の情報ですので、上記の量を食べて、万が一、尻から油が漏れる方がいらっしゃいましても、当ブログでは責任は取れません事をご了承くださいませ…。)
終わりに
という事で、中国を中心に度々問題視されている、有毒深海魚・バラムツを用いた偽装にちなんで、その概要やバラムツを食べた際の症状、またその意外な味の口コミなどをお伝えさせて頂きました。
日本ではあまりお目にかかる機会のない魚だとは思われますが、海外で脂の乗った刺身を食べる際などは、注意した方が良いのかも知れませんね。
「大トロのように旨い」などと言われている事や、少量なら食べても問題がないとの事から、一度は食べてみたい気もしますが、経験者曰く「本当に自分の意志と無関係にワックスが出る」そうですので、色々とリスクを覚悟して挑戦する必要がありそうですね…。