2008年に起こった中国での粉ミルク異物混入事件が、2月1日放送の「ザ!世界仰天ニュース」でも取り上げられるようです。
一時期は話題になった食品偽装の問題のひとつですが、現在でも中国では不信感が払拭出来ていないといいます。
今回はそんな中国で起こった、恐ろしい食品の異物混入事件の経緯や実態、また現在の様子などについて調べてみたいと思います。
中国の異物混入粉ミルク事件の経緯や概要
それでは覚えていらっしゃる方も多いかも知れませんが、2008年に中国で起こった異物混入事件の詳細について、もう一度見ていきたいなと思います。
事件が起こったのは2008年の中国で、当時中国は北京オリンピックに沸いていましたが、この事件がそんなムードに水を射したのでした。
問題の粉ミルクは、河北省に本社を置く“三鹿集団(三鹿グループ)”が生産・販売した「三鹿ブランド」の乳幼児用粉ミルクで、混入していたメラミンは国家基準の許容量(1mg/kg)を大幅に上回っていました。
そして主にこの粉ミルクを摂取した乳幼児たちから、恐ろしい健康被害が続出するのでした。
粉ミルクにメラミンが混入された理由 ある成分を偽装する為だった!
この粉ミルクの異物混入事件ですが、不慮の事故などではなく、ある成分を偽装するためにメラミンを多く混入させていたのです。
その理由は、牛乳のたんぱく質の含量を実際より多く見せかけることにありました。
食品中のたんぱく質の含量は、通常、窒素の量を測定して求めるそうですが、メラミンは窒素を多く含むことから、メラミンを混合することで、たんぱく質の含量を実際より多く見せかけていたのです。
WHO(世界保健機関)の情報によれば、中国でメラミンを混ぜていた地域では、生乳の出荷量をかさ増しするため、生乳に水を加えていました。
それをごまかすためにメラミンを混入していたのでした。
メラミンはメラミン樹脂というプラスチックで、食器などの原料に使用されていますが、食品ではありませんので、これを摂取した人間は健康被害が現れるようになりました。
実際に起きた被害や現在の状況など
そしてこの粉ミルクは中国中に流通・消費された訳ですが、飲んだ乳幼児の5万4000人以上が腎臓結石を患い、4人以上が死亡する惨事となりました。
問題を起こした企業は計9億元(約149億円)を拠出、重症患者には3万元(約50万円)、一般患者には2000元(約3万3000円)が支払われたと言われていますが、被害者の治療にはそれだけでは足りていないのが実情のようです。
被害者の双子の赤ちゃんだった、王鵬(ワン・ポン)くん、王賀(ワン・ホー)くん兄弟は現在小学生のようですが、両親曰く身長が、村の他の子供に比べて2~4cm低いことを、l後遺症ではないかと心配しているそうです。
まとめ
世界的にも大きな波紋を呼んだ中国の粉ミルク異物混入事件でしたが、亡くなられた赤ちゃんもいたのでとても深刻な詐欺事件だったと感じました。
消費者の生命よりも企業の利益を優先した罪は大きいと思いますし、今後このような事件の起きないよう厳しい管理体制を確立して欲しいと思います。
食品は私達が直接体内に入れるものですので、異物混入だけでなく、衛生面や品質面なども十分気を付けて貰いたいですよね。