2016年11月21日にアメリカテネシー州ノックスビルで起きた、当時16歳の女子高生だったエマ・ウォーカーさんが射殺された事件が、11月15日放送のテレビ朝日系「特捜X実録映像コップ」で特集されるようです。
エマさんの遺体発見時の状況は、現場となった部屋には外部からの侵入の形跡はなく、遺体の頭部と枕から銃弾が見つかったほか、壁には2つの穴が開いており、朝になって母ジル・ウォーカーさんがエマさんを起こしに行くと、亡くなっているのを発見したとのことです。
一見、「謎の密室殺人」にも見えるこの事件の犯人や真相とはどのようなものだったのでしょうか?
この記事では、番組放送のひと足前に、事件の概要について探ってみました。
※この記事は、海外サイトの情報を中心に参照しております。多少の誤訳等がある可能性もありますが、ご容赦ください。
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目次
女子高生エマ・ウォーカーと元恋人ウィリアム・ライリー・ガウルの出会いや馴れ初め
それでは早速、本事件の経緯や詳細について迫っていきたいと思うのですが、説明をスムーズにするために、いきなりですがこの事件の犯人から述べさせて頂きます。
2016年11月に、当時16歳の女子高生だったエマ・ウォーカーさんを殺害したのは、事件から2週間ほど前に別れていた元彼氏のウィリアム・ライリー・ガウルでした。
エマさんとガウルが出会ったのは、2014年の秋のことでした。
エマさんはとても親切でフレンドリーな女性として知られ、沢山の友人がいて、ほとんどの人達と仲良くなるような方でした。
そんなエマさんの夢は、新生児看護師になることで、また多くのボランティア活動、特に動物保護施設でボランティアをしていたそうです。
そして2014年にセントラル高校に入学し、チアリーディングチームに入り、夢中で活動していました。
そんなエマさんについて、出会った時にチームのシニアだったローレン・ハットンさんは、以下のように述べていました。
彼女は、チアリーディングをするのが大好きでした。
それは彼女の情熱の1つで、リードが大好きで、フットボールの試合が大好きでした。
彼女は、群衆の魅力の一部であることを愛していました。
そんなエマさんのことを、目に留めたのが、エマさんの2つ年上で当時、フットボールチームのスターでワイドレシーバーを務めていたウィリアム・ライリー・ガウルでした。
ガウルは母親と祖父母によって育てられた一流の学生で、ビデオゲームをするのが大好きだったそうで、「彼は少しオタクだった」とエマさんの友人の1人が証言していたそうです。
そんなガウルについて、エマさんの両親は、初めて会った時は好印象を抱いたと言います。
彼は非常に礼儀正しく、最初はとても親切でした。彼はとても好意的でした。
(エマさんの母親ジル・ウォーカーさん)
彼は非常に格好良い若い男だと思っていた。
(エマさんの父親マーク・ウォーカーさん)
その後、エマさんの両親は自分達が居る時にガウルを家に招き入れ、次第に若い2人は交際に発展していったようです。
実際にエマさんも、最初はガウルに満足していると友人に話していたそうで、SNSには仲睦まじい姿と共に、
私がどれだけ幸運かを見て
というメッセージなどを投稿していました。
Nice little Fourth of July❤️💙❤️💙 pic.twitter.com/Z66Mbvk5L2
— Emma✨ (@Emma_walker18) July 5, 2016
Look how lucky I am♡ pic.twitter.com/l1gj5e72Jw
— Emma✨ (@Emma_walker18) May 31, 2016
このように、エマさんとガウルは、交際開始当初は仲の良いカップルに見えたようです。
ライリー・ガウルがエマ・ウォーカーに対し攻撃的・支配的に
しかしエマさんの友人曰く、彼氏のガウルはエマさんの友人である自分達とはあまり話をしなかったそうで、最初は恥ずかしがり屋なのだろうと考えていたものの、次第に心配になっていったと言います。
ガウルがエマさんの活動をコントロールし、エマさんに対し、支配的・所有的になっていったからです。
そして交際から2年の間に、ガウルはエマさんの服装に関しても指示するようになり、さらにはエマさんが働いていたスーパーマーケットの外で、何時間も待つといった行動を取るようになったそうです。
さらにガウルは攻撃的になり、エマさんに、
俺はお前が嫌いだ、お前についてのすべてが嫌い
お前は、俺が今まで接触した最大のビッチだ
といったメッセージを送っていたそうです。
さらに、エマさんの母・ジルさんを驚かせたメッセージとしては、
お前は俺に(よって)死んでいる。俺は訃報記事をチェックするだろう。
といったものまであったそうです。
これについて、ジルさんがガウルに問うと、
僕はただ怒っていた
との説明を受けたと言い、さらに多くの危険信号を感じるようになっていったようです。
こうした事情から、エマさんの両親はガウルを自宅から追放することを決め、エマさんの携帯電話を取り上げ、2人のコミュニケーションを止めさせようとしたものの、ガウルはエマさんにiPod Touchを渡し、エマさんはWiFi経由でガウルにテキストメッセージを送るようになりました。
しかし、ガウルがエマさんに送ったメッセージの中には、以下のような謝罪などもあったと言います。
エマ、僕がどんなふうに振る舞ったとしてもごめんよ。
言葉では説明できないほど、君を愛している。
一方、母・ジルさんは、エマさんにガウルと別れるように数回勧めたと言います。
しかしジルさん曰く、ティーンエイジャーのエマさんは、そう勧めるほど、彼氏のガウルが正しいと思うようになっていったそうです。
エマ・ウォーカーとライリー・ガウルの破局
2016年秋になっても、エマさんとガウルの激動の関係は続いており、この時、ガウルは高校を卒業し近くの大学の18歳の新入生で、エマさんは高校3年生でした。
同年のハロウィンの頃、エマさんの両親は彼女を拘束することを決意します。
エマさんは、学校に行ってチアリーディングする以外は家を出ることができなくなりました。
両親は、エマさんが行く全ての場所で監視を開始しましたが、驚くことにこれが成功したのでした。
エマは、昔の彼女のようになった。
部屋から出てきて、私たちと夕食を食べ、交流しました。
(父マーク・ウォーカーさん)
そして、エマさんはガウルに別れを告げ、そのことを友人にもメッセージで報告していたようです。
しかし、ガウルは破局をうまく受け止められず、大学の寮で自殺を図るために、たくさんの錠剤を飲み込み、アルコールで洗い流すなど、友人達がその精神状態の悪化を目撃していたそうです。
またガウルの友人は、ガウルが、
僕はとても落ち込んでいるように感じる
自分自身を傷つけたい
などと、話しているのを聞いていたそうです。
ライリー・ガウルの脅迫・ストーカー行為
その後の2016年11月18日金曜日、エマさんは友人の家での集会に出席することが許可されました。
その夜、エマさんの友人でクラスメイトの1人も同集会に出席すると、エマさんは彼を側に呼び、
知らない番号から奇妙なテキストメッセージを受け取っているの。
と相談。
内容は、
愛する人が傷つくのを見たくないなら、一人で外に出ろ
といったものだったようです。
エマさんは、自分にいたずらしているガウルの友人の行動だと思い、
警察に電話する
と脅してテキストを返信すると、さらに脅迫的に、
彼の泣き声と叫び声の電話を聞きたいなら(すれば良い)
といったメッセージが返ってきたそうです。
そしてエマさんと友人が外に出ると、家の近くの溝にうつ伏せになった人間を見つけました。
街灯の光から、それはガウルであることが分かりました。
(エマさん) どうしてここにいるの?
(ガウル) 何が起こったのかわからない、どうやってここに来たのかも。誘拐された、誰かが僕をここに降ろした。
(エマさん) 私達は別れたの、もう放っておいて!
上記のようなやり取りがあった後、ガウルは一人で落胆したように通りを歩いていきました。
またガウルは、友人のノア・ウォルトンさんに、その夜誘拐されたと電話で伝えましたが、ウォルトンさんはこれを信じていませんでした。
さらに、この(誘拐)事件について911に電話しないようにと、ガウルはウォルトンさんに頼んでいたそうで、エマさん側の友人達もこの件について警察に連絡をしませんでした。
そして翌朝、エマさんは帰宅。
しかしエマさんは、見知らぬ人が家の玄関口にいると、友人に以下のようなテキストメッセージを送信。
私は一人で家にいる。
黒い服を着た誰かが通りを歩いてドアに来て、ベルを何度も鳴らした。
死ぬと思った。
さらにエマさんは、ガウルに対しても以下のようなテキストを送信。
私はあなたを憎んでいるけど、今はあなたが必要なの。
するとガイルからは以下のような返信が。
僕は向かっているよ…、スピードを上げているから、ちょっと待ってて。
そして、エマさんとガウルが家の前庭で会っているところを、母のジルさんが目撃。
ジルさんは、ガウルの出入りを禁止していたため、去るように丁寧に頼んだそうですが、ガウルは、
僕はエマを助けるためにここに居るんです。エマの無事を確認しているんです。
と返答。
しかし、それでもジルさんは、
許可されていないことを知っているわよね、去りなさい。
と言い、結局、ガウルは去っていきました。
エマさんは目に見えて動揺し、メッセージの犯人は強盗やストーカーかも知れないと思ったそうですが、ジルさんは納得がいきませんでした。
ガウルが、自分と話をするようにエマさんの注意を引き付けようとして行っていることだと、推測していたようです。
ジルさんはエマさんを心配し、日曜日まで、エマさんの安全を確認しながら過ごしました。
エマ・ウォーカーが殺害される 銃弾や壁の穴が解明のきっかけに
そして、日曜日の夜までに、エマさん一家は平穏を取り戻したように見え、エマさんは友人に宿題についてのメッセージを送り、真夜中過ぎに就寝。
しかし、翌朝の2016年11月21日月曜日の午前6時過ぎに、ジルさんが娘・エマさんの部屋に起こしに入ったものの、エマさんが返事をすることはありませんでした。
ジルさんがエマさんを呼んだり、足がぶつかっても、エマさんから返事は聞こえず、その顔を見て亡くなっていることに気付いたそうです。
エマさんの脈拍を調べても、反応は見られず、それからの記憶はあまりないものの、ジルさんは911に電話したとのことです。
そして、警察がエマさんの家に到着。
当時、本件を担当した法医学技術者でノックス郡保安官代理のニッキ・ビュールズ氏は、電話を受けた当初は自殺の可能性も予測したそうですが、家に到着し、住居の写真を撮り始めると、エマさんの寝室の壁に穴が開いており、それが銃弾の穴のように見えたと言います。
この時点で、おそらく自殺ではないことが分かったようです。
さらに家の外側にも、別々の側面に2つの穴があることを発見。
これによって、2つのショットが同じ容疑者によって発射された可能性が非常に高いことが推測されたそうです。
エマ・ウォーカーさんは、一階建ての家の外から寝室に2発の銃弾が発射された後、頭に銃弾で傷を負ったのですが、1つの弾丸がエマさんの左耳の後ろに当たり、2番目の弾丸がエマさんの枕に引っかかったのでした。
それから警察がエマさんの友人や家族に聞き込みを始めると、何度もガウルの名前が出てくる事態になりました。
みんな、ガウルのエマさんへの接し方や話し方などを見てきていたからです。
一方、当のガウルはSNSを使ってエマさんを哀悼し、あるツイートの中では、
今は安らかな安らぎを。僕は君を永遠に愛している。
と、記していました。
こうした一連の投稿から目立ったのが、
僕は君を愛している。僕は君を愛している。僕は君を愛している。
といった繰り返しの性質だったそうです。
ライリー・ガウル逮捕の経緯 おとり捜査で銃を廃棄する所を逮捕
前述のような経緯から、ガウルは警察の取り調べを受けることになったのですが、当初はエマさんを殺害したことについて否定していたようです。
しかし、ガウルの友人であるアレックス・マッカーティさんによると、ガウルは誘拐を装った翌日、自分の人生をとても恐れ、盗んだ祖父の銃を見せたと言います。
実際に、車に銃を置いていたガウルの祖父は、ガウルに問いただす前に9mmの拳銃が行方不明になったことを報告していました。
さらに、もう一人のガウルの友人であるノア・ウォルトンさんは、ガウルが銃から指紋を取得する方法を自分に尋ねてきたと証言していたようです。
刑事は銃についてガウルに尋ねましたが、彼はそれがどこにあるのかわからないと言い、友人のマッカーティさんに見せたことや、ウォルトンさんに銃から指紋を取得する方法を尋ねたことも否定しました。
そしてガウルはエマさんの殺害も否定したのですが、保安官のオフィスを去った後、マッカーティさんにテキストメッセージを送り、なぜ銃について警察に言ったのか、もう警察に話さないでほしいなどといったメッセージを送りました。
こうしたことから、警察はガウルが嘘をついていると考え、ウォルトンさんとマッカーティさんの協力の元、これら友人の2人にマイクや送信機、隠されたビデオカメラを付け、ガウルに罠を仕掛けました。
そして作戦は成功し、ガウルは逮捕。
廃棄しようとしていた銃に加え、手袋や黒い服などの証拠も回収されたとのことです。
そして、警察は、エマさんが殺害される前日の土曜日の朝、エマさん宅のドアの前にいた不思議な「黒い服を着た男」もガウルだったと指摘していたそうです。
ライリー・ガウルの裁判 検察と弁護人の主張、結果は終身刑に
結局、ガウルは2016年11月に逮捕され、2017年1月に殺人やストーカー、証拠の改ざんなどの容疑で起訴されました。
その後の裁判で、ガウルはエマさんを殺害したことを認めたようですが、ガウルの弁護人は、エマさんを殺すつもりはなかったが、彼女を怖がらせて注意を引くために銃を発射したと法廷で主張しました。
BREAKING: William Riley Gaul has been found GUILTY of the first-degree murder of 16-year-old Emma Walker. He has been sentenced to LIFE in prison. https://t.co/sylObnMkoz
— Crime & Justice (@CrimeJusticeHLN) May 8, 2018
また上記の法廷では、ガウルは「黒服を着た男」が自身であることは否定していたようですが、その前の誘拐疑惑事件しかり、ガウルはエマさんの心配や不安の気持ちを引こうとしていたのかも知れませんね。
そして、弾丸を撃って怖がらせ、自身が助けることでエマさんのヒーローになって、彼女としてエマさんの心を取り戻そうとしたと主張していたようです。
実際に裁判の中で、ガウルは以下のように、エマさんを殺害したことを両親に謝罪していたようですが、殺害の意図はなかったと話していました。
ごめんなさい、エマをあなたから奪い去ってしまいました。
あなたの娘さんが成長する姿を見る機会を奪ってしまったのです。
私にできることは、その夜について真実を語ることです…私は彼女を怖がらせたかったのです..
私はエマの命を奪うつもりはありませんでした。
再びすみません。
しかし、検察側はガウルのエマさん殺害は計画的であると主張。
彼は所有的で、操作的で、支配的だった。
これは事故ではありませんでした。
殺害する犯罪の意図があった。
と、裁判中にノックス郡地方検事総長は話していたそうです。
そして裁判の結果、ガウルには51年間、仮釈放の可能性なしに、刑務所での強制的な終身刑が課せられたとのことです。
エマ・ウォーカーの両親が伝え続けていること
長文となりましたが、以上がエマ・ウォーカーさんが殺害された事件の大まかな概要となっております。
こうした一連の出来事を経て、現在、エマさんのご両親は、騒々しい関係にある他のカップルへの警告として、この事件が役立つことを望んでいると言います。
もしボーイフレンドやガールフレンドがあなたに、そこには行けないとか、何を着るべきとか、誰と付き合うとか、誰と話すかと言っているのなら…それは安全ではない。
また、彼らが静かになり、引っ込められると、それも大きな兆候だと思います。
それはただの打撲傷ではなく、感情的で制御的です。
(エマさんの母ジル・ウォーカーさん)
さらにジルさんは、人々が「他人に親切になること」によって、彼女を思い出すことを願っているとも話していたそうです。
本記事の情報参照元:
など。