がん探知犬とは?シエラ(アメリカ)の飼い主の癌発見に驚き[費用・申し込み法]

がん探知犬とは?シエラ(アメリカ)の飼い主の癌発見に驚き[費用・申し込み法]

人間の発する匂いからガンの有無を判定するという「がん探知犬」が、世界で注目を集めているようです。

なかでも、アメリカのシエラちゃんというシベリアンハスキーが、病院でも見落とされた飼い主のガンを幾度となく発見し、命を救ったエピソードが話題を呼んでいます。

この記事では、そうしたシエラちゃんのエピソードを中心に、「がん探知犬」とはどのような存在なのか、また日本の現状や検査を受ける費用などについて、ご紹介したいと思います。

がん探知犬とは? 誕生の経緯や概要

まずは、「がん探知犬」とは一体どのような存在なのか、その概要から簡単にご説明させて頂きたいと思います。

wikipediaによりますと、「がん探知犬」は悪性腫瘍の検出を目的とした使役犬で、尿や呼気や汗に含まれるアルカン、芳香族化合物、ベンゼン誘導体など特有の物質をかぎ分ける事により、腫瘍を検出するのだそうです。

また実験の結果、数週間の基本的な訓練で、特に嗅覚に優れた犬でなくても(普通の飼い犬でも)、がん患者と健康な人を区別できるようになったそうで、肺がんについては感度、特異性とも99%、乳がんは感度88%、特異性98%に到達したそうです。

(別の記事によりますと、「どんな犬でもがん探知犬になれるわけではなく、狩猟犬として嗅覚が発達したラブラドールレトリバーの中でも、特に優秀な嗅覚と集中力を持つほんのひと握りの犬だけしかなれない」といった情報もあります。

参照:

https://www.news-postseven.com/archives/20170514_548903.html)

具体的な実験方法などは、以下の記事をご参照ください。

がんを呼気で嗅ぎ分ける“がん探知犬”、驚異的な高精度示す米研究が論文化:MedWave Back Number
がんを呼気で嗅ぎ分ける“がん探知犬”、驚異的な高精度示す米研究が論文化

臭覚に優れた犬が「がんの匂い」に反応することは、1989年に医学雑誌に掲載された論文によって初めて報告されて以来、世界中で反響を呼び、同様の報告が相次いだそうです。

参照:

胸部X線検査より、喀痰検査より、診断感度が高い?肺がんを嗅ぎ分ける「がん探知犬」登場がん特有の匂い物質と呼気検査
この8月、欧州呼吸器学会誌に、吐いた息から肺がんを嗅ぎ分ける「がん探知犬」の研究結果が報告された。訓練された犬は、肺がん患者の呼気サンプル100例中71例を「陽性」とし、健康な人の呼気、COPD患者の呼気400例に対しては93%に「陰性」の判断を下したという。

また、2017年5月のメディアの記事によりますと、記事公開時点において、世界では13か国で癌探知犬の実験や育成が行われているそうです。

参照:

日本に5頭しかいない「がん探知犬」、発見率は99.7%
 真っ黒で光沢のある毛並みのラブラドールレトリバーのエスパー(メス・8才)は、つぶらな瞳をトレーナーに向けてじっと指示を待っていた。エスパーの前に置かれたのは数十人分の人間の尿検体…

アメリカでは、シベリアンハスキー・シエラちゃんが飼い主の癌を幾度も発見

そんな「がん探知犬」ですが、アメリカではシベリアンハスキーのシエラちゃん(メス)が飼い主であるステファニー・ハーフェルさんの癌を3回も発見したというエピソードが話題となっていたようです。

(ステファニーさんのフェイスブックを見ると、2019年4月の投稿に、シエラちゃんによって新たな癌が発見されたというような記載がありますので、4回目の発見かもしれません。)

シエラちゃんは2011年に、ステファニーさんの息子さん(空軍勤務)が海外派遣されたことを受け、生後9ヶ月で譲り受けたそうですので、2019年時点では8~9歳位になっていると考えられそうですね。

ちなみに、シエラちゃんは癌探知犬として正式な訓練を受けていた訳ではなかったようです。

シエラちゃんが最初にステファニーさんの癌を感知したのは、2013年のことでした。

当時、下腹部に痛みを感じたステファニーさんは、病院で診てもらったものの、問題のない「卵巣嚢胞」と診断されたそうです。

しかし家に帰ると、シエラちゃんが不自然な反応を示したそうです。

あの子(シエラ)は私(ステファニー)の下腹部に鼻を押し付け、激しく臭いを嗅ぎました。

服に何かをこぼしたのかと思いました。

でも、あの子はそれを3回繰り返し、クローゼットの中に隠れてしまったんです。

引用:

飼い主のがんを臭いで感知?シベリアンハスキーが米で話題|もぎたて海外仰天ニュース
 日本にも臭いでがんの有無を判定するという「がん探知犬」が存在しているが、米国でも、そんな犬が話題になっている。...

この時のシエラちゃんは、何かを怖がっているように思えたと言います。

こうしたシエラちゃんの行動に、何かを伝えようとしているのではないかと考えたステファニーさんは、別の産婦人科で再度、検査をすることに。

その結果、ステージ3の卵巣がんであることが判明したそうです。

そして、ステファニーさんは子宮摘出手術と、2014年4月まで化学療法を受け、その後は回復しました。

さらにその後もステファニーさんは、シエラちゃんが同様の反応を示した、2015年には肝臓に、2016年には骨盤に癌が見つかりましたが、その度に治療を受けて完治し、再発はしていないそうです。(2018年12月時点のメディアの記事を参照。)

さらに、シエラちゃんのこうしたガン感知能力は、ステファニーさん以外の人間にも発揮されるそうで、卵巣がんを患っている友人が家に遊びに来た際も、クローゼットに隠れる反応を見せ、さらには家の改修に来た作業員のガンも感知したそうです。

ちなみにステファニーさんは、インターネット上のサイトでジムさんという男性と出会い、2017年に結婚。

上記のシエラちゃんがガンを感知した家の改修作業員のことも、誰かに知らせる義務があると感じたため、その上司に連絡したのだそうです。

ステファニーさんとシエラちゃんの関係

また、シエラちゃんはステファニーさんが病院へ行って帰ってきた時は、病院の匂いからか不安になると言います。

そこで、ステファニーさんはその際は服を着替え、また世帯のもう1匹の犬である、小型犬のギズモちゃんがシエラちゃんを落ち着かせるそうです。

52歳(2018年11月30日時点)のステファニーさんは、プロポーザルや助成金作家の仕事を辞め、研究のための資金を集め、全国の女性を卵巣癌で支援するために多くの時間を費やしているそうです。

ステファニーさんが元気な時は、シエラちゃんも元気で、シエラちゃんはテニスボールやハリネズミのおもちゃ、ドライブ、長い散歩と冬の外で遊ぶのが好きなのだそうです。

そして、シエラちゃんはステファニーさんを守ろうという想いが強いようで、いつもステファニーさんと外の扉の間に横たわっているそうです。

またステファニーさんは、こうしたシエラちゃんの素晴らしい行動について、本を執筆することを計画しているとのことです。

犬の従順さや愛情深さは、多くの人達に癒しや勇気を与えてくれますが、現代医学でも見つけられなかった病を早期に感知してくれるというのは、本当に有り難いことではないかと感じます。

本段落の主な情報参照元:

飼い主のがんを臭いで感知?シベリアンハスキーが米で話題|もぎたて海外仰天ニュース
 日本にも臭いでがんの有無を判定するという「がん探知犬」が存在しているが、米国でも、そんな犬が話題になっている。...
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がん探知犬の日本の現状や、費用(料金)・申し込み方法など

そんな癌探知犬ですが、日本においての現状はどうなっているのでしょうか?

現在、日本に癌探知犬は5頭しかいないそうですが、その理由は特殊訓練に費やす時間やコストの問題があるようです。

(育てるのに3年、1頭あたり500万円のコストが掛かるそうです。)

参照:

日本に5頭しかいない「がん探知犬」、発見率は99.7%
 真っ黒で光沢のある毛並みのラブラドールレトリバーのエスパー(メス・8才)は、つぶらな瞳をトレーナーに向けてじっと指示を待っていた。エスパーの前に置かれたのは数十人分の人間の尿検体…
胸部X線検査より、喀痰検査より、診断感度が高い?肺がんを嗅ぎ分ける「がん探知犬」登場がん特有の匂い物質と呼気検査
この8月、欧州呼吸器学会誌に、吐いた息から肺がんを嗅ぎ分ける「がん探知犬」の研究結果が報告された。訓練された犬は、肺がん患者の呼気サンプル100例中71例を「陽性」とし、健康な人の呼気、COPD患者の呼気400例に対しては93%に「陰性」の判断を下したという。
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日本の癌探知犬第1号は、天才的な嗅覚を持った水難救助犬マリーンだそうですが、現在、日本で活動する5頭の癌探知犬はいずれもマリーンの血を引いているそうです。

そんな癌探知犬を育成しているのが、千葉県館山市にある「がん探知犬育成センター」だそうで、同センターHPには多くの情報が掲載されています。

セントシュガージャパン|がん探知犬の訓練と育成・がん研究助成

また、山形県金山町では、2017年5月に全国で初めて癌探知犬による検診を試験導入していたようです。

そのメリットとしては、「極めて早い段階のガンでも発見できる。」「検尿で済むので、診断を受ける人の負担が少ない。」などといった点が挙げられていたようですが、ガンが匂いで分かることなども話題となっていたようです。

さらに、ガンの匂いには、ガンがある場所によっても違いがあると考えられているそうで、現在も研究が進められているようです。

参照:

尿のにおいで発見「がん探知犬」の実力は?|日テレNEWS NNN
 山形県金山町が、全国で初めてがんを“におい”で発見する「がん探知犬」による検診を試験的に導入すること決め、話題となっている。人の尿などのにおいをかぎ分け、早期のがんも見つけることができるという探知犬の実力とは― ■尿のにおいから“がん患者”をかぎ分ける  人の尿などのにおいから「がん」の有無をかぎ分け...

そして、それは「癌患者特有の臭い物質」の化学的な分析に進み、現在は日本だけでなく、海外においても、「がん患者特有の臭い物質の同定」への研究が続けられているそうです。

これが突き止められれば、癌探知犬と同じような感知が科学的に可能になるかも知れませんし、早期発見の可能性が飛躍的にあがる予感がしますね。

癌探知犬による検査の費用や申し込みは?

現状、国内に5頭しかいない癌探知犬ですが、実際にその検査を受けるにはどのようにすれば良いのでしょうか?

調べてみたところ、「ドックラボ」という癌のスクリーニング機関があるようで、実際に「がん探知犬育成センター」で育成された癌探知犬が匂いを判定する機関のようです。

この機関は、直接、病院などへ行く必要はなく、以下の同機関HPから申し込み、送られてきたガン判定キットの指示に従って「呼気」を採取し返送する、といった流れになっているようです。

詳細は、以下をご参照ください。

DOGLAB – DOGLAB
DOGLAB

また、ドッグラボと医療連携をしている東京都足立区にある寺田病院でも、直接来院による尿採取検査や、自宅で判定キットを受け取り採尿して返送するという方法も行っているようです。

詳細は、以下をご参照ください。

https://terada-hospital.or.jp/doglab.html

いずれの方法も、税込38,000円だそうですが、判定確率はほぼ100%近いということです。

病院での検査は、さらに多くの手間や費用が掛かる場合もあるでしょうし、癌探知犬は極めて初期のガンも発見できると言いますので、心配な方は試してみる価値は大いにあるのではないでしょうか?

終わりに

現代においても、発見が遅れると命を落とす危険性が高い病気「癌」ですが、その恐怖から私達を救ってくれるかも知れない癌探知犬という存在について、ご紹介させて頂きました。

私達が知らない動物や自然の力といったものはまだまだ沢山あるでしょうし、そうした力と科学が結び付いて、多くの病の治療やより良い世界を作ることが出来たら素敵ですよね。

今後の癌探知犬の育成の発展や、それを応用した医療の進展に期待したいと思います!

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