劇団四季の人気ミュージカル「キャッツ」の関係者内で、パワハラ騒動と自殺未遂が起こっていたとの報道が、波紋を呼んでいます。
第一報を報じたのは、9月6日発売の週刊文春でしたが、この報道から、
劇団四季のスーパーバイザー・加藤敬二(かとうけいじ)氏のパワハラ指導によって、「キャッツ」でミストフェリーズ役を演じていた俳優・Iさん[周辺情報から一色龍次郎(いっしきりゅうじろう)さんが濃厚。](以下、当記事では、Iさんが一色さんであるという前提で、進めさせて頂きます。)が自殺未遂を図った。
と見られています。
この記事では、同誌の報道により明らかになった一色龍次郎さんの容態や、パワハラとされる出来事の経緯、また本件を受けての劇団四季や加藤敬二さんの対応などについて、まとめたいと思います。
劇団四季・加藤敬二氏のパワハラ疑惑 週刊文春による事故の内容
それではまずは初めに、今回の加藤敬二さんによるパワハラ疑惑や、それが原因とされる一色龍次郎さんの飛び降り事故の概要について、見ていきたいと思います。
一色龍次郎さんの飛び降り事故が起きたのは、7月15日になって間もない深夜で、横浜市内のマンションの5階から飛び降りたとのことです。
— ねたろう (@cQxPGoKcnpEOn4Y) April 1, 2019
画像中央が一色龍次郎さんとのことです。
この日の一色さんは「キャッツ」の出演者らと、劇団員同士の俳優夫婦の部屋で飲んでいたそうですが、その様子は普段通りだったと言います。
しかし、飲み会が終わって部屋を出ると、一色さんは突然、5階の柵を乗り越え飛び降りたというのです。
その結果、一色さんは脳挫傷に。
四季での一色さんは、真面目で練習熱心だったそうで、将来の成長を期待されていたようです。
ちなみに一色さんの出演作は、加藤さんが手がけたものが多く、当初は一色さんに対する、加藤さんの評価や期待は高かったと言います。
しかし、今年5月に行われた「キャッツ」の大阪公演最終日を、加藤さんが酷評してからは一変。
その後の東京公演では、一色さんはミストフェリーズ役を外され、さらに稽古でも、加藤さんは一色さんと目を合わせず、無視したり、大勢の役者の前で罵倒することもあったとか。
悩んだ一色さんは、四季制作部の女性職員にパワハラを相談。
しかし、状況は良くならず、本段落冒頭の飛び降りという結果に繋がってしまったようです。
一色龍次郎(いっしきりゅうじろう)さんの容態は深刻か 脳挫傷とは
前述のような経緯から、一色龍次郎さんの痛ましい事故は起こってしまったそうですが、これによって一色さんは脳挫傷となり、「目は開くものの、俳優としての再起は極めて難しい」と、四季関係者は話しているそうです。
現時点では一色さんの容態に関しては、これ以上は分からないのですが、「俳優としての再起が難しい」という事は、感情表現や身体動作に支障があるのかも知れませんね。
筆者は医学に詳しい訳ではないのですが、脳挫傷とは、簡単に言えば以下のような状態をさすそうです。
脳挫傷
頭を強打したとき、衝撃が脳の実質にまで及んで器質的な損傷を受けた状態。意識障害・運動麻痺・痙攣発作などが起き、治癒した場合も運動麻痺・失語・視力障害など後遺症の残ることが多い。
挫傷した部位は死滅して再生せず、脳挫傷の程度は、衝撃の強弱ではなく、損傷した部位の量が多いか少ないかによって決まるそうです。(参照:http://www.jikosoudan.net/)
重症の場合は昏睡状態になることもあり、小範囲、限局性の脳挫傷の予後は良好なものの、挫傷が広範囲だったり、挫傷脳中に巨大な脳内血腫を形成したりした場合は、予後不良になるそうです。(参照:wikipedia)
また、脳内血腫の合併を含む昏睡状態の重症脳挫傷では、致命率は44%、社会復帰は31%程度という情報もあります。(参照:wikipedia)
という事で、深刻な症状となる可能性もある怪我のようですが、一色さんの場合はどのような容態なのでしょうか。
少しでも症状が軽いことを願いたいですし、今後の回復をお祈りしたいと思います。
事故発生を受けて、劇団四季や加藤敬二氏の対応は?
また、今回の事故を受けた劇団四季や加藤敬二さんの対応については、まとめると以下のようになっているそうです。
- パワハラの相談を受けた女性職員と劇団四季の専務が、一色さんの実家がある愛媛県を訪れ謝罪。
- 加藤さんも、一色さんが入院する病院を訪ねたが、一色さんの親から、加藤さんのパワハラで息子が苦しんでいたのは本当か?と問われ、これを否定。
- 劇団四季は7月20日に総会を開き、劇団員に一色さんの事故を報告。この際、専務は”飲酒による転落事故”と説明するも、不自然さを指摘され、後日に再度、総会を開き、前言を誤りと認め謝罪。
- 調査委員会の調査で、加藤さんが一色さんに対し「不適切な指導があった」などと、事実上パワハラを認める証言をしている。
また四季広報宣伝部は、パワハラについては、個人情報や関係者のプライベートが含まれるため答えられないと説明しているそうです。
まもなく開幕、劇団四季『ソング&ダンス65』公開舞台稽古が行われました。四季の人気作の人気ナンバーが詰まった楽しいショー!構成・演出の加藤敬二さん曰く「いつもはリハーサルは4週間だけど、今回は8週間かけた」という、ハイクオリティな作品でした!レポは追ってお届けします! pic.twitter.com/bJaLXM6C5e
— げきぴあ byチケットぴあ (@gekipia) October 3, 2017
パワハラ疑惑を報じられた加藤敬二さん
上記の内容は週刊文春の報道を基にまとめただけですので、100%真実かは分かりませんが、個人的には、事故を飲酒のせいにしようとしたり、パワハラについてその有無をも明かさないのが事実ならば、劇団四季サイドが本件を出来るだけ隠そうとしていると見られても、仕方がないような気もします。
感想
という事で、今回報じられた劇団四季内におけるパワハラ・自殺未遂疑惑について、一連の出来事の概要をお伝えさせて頂きました。
最近は、スポーツ界をはじめ、様々な業界においてパワハラ騒動が報じられていますが、今回の件については人命に関わる事態となっているだけに、より重大な問題かも知れませんね。
一流の作品を作り上げるためには、時には厳しさが必要なこともあるでしょうが、それにはまず当事者同士の強い信頼関係が不可欠なはずですし、そうした部分が何処かで疎かになってしまっていたのでしょうか?
現時点では、加藤敬二さんのパワハラ疑惑が、一色さんの事故の全ての要因だったとは言い切れないとは思いますが、今後は二度と同様の事故が起きないよう対処を検討して頂きたいですし、出来るだけ情報を公表してもらいたいなと思います。
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