8月1日発売の、歌手・浜崎あゆみ(はまさきあゆみ)さんのデビューから現在までを綴ったノンフィクション小説「M 愛すべき人がいて」が大きな話題を呼んでいます。
事前のメディアの情報によると、その内容は主に、デビュー当時の浜崎さんとプロデューサーだった松浦勝人(まつうらまさと)さんの熱愛の告白になっているとのことでしたが、早速、筆者も電子版の方を購読してみました。
一通りざっと読んだだけで、その深い内容まではまだ理解できていませんが、個人的にはなかなか考えさせられる内容だなと感じましたので、ここでその概要や個人的な感想などをお伝えさせて頂きたいと思います。
※ネタバレ注意※
この記事には一部、ネタバレ要素が含まれています!
同小説は、浜崎あゆみさんや著者の小松成美さんの作品であるため、あまり詳細には書きませんが、多少のストーリーの流れなどには触れていきますので、事前情報なく小説を読みたい方は本記事を先に読むことはオススメ出来ません。
あらかじめ、ご了承のほどお願いいたしますm(_ _)m
【関連記事】
目次
浜崎あゆみのノンフィクションノベル「M 愛すべき人がいて」の内容 何が描かれているのか
それではまずは初めに、注目のノンフィクションノベル「M 愛すべき人がいて」の内容の概要について、拙いながらお伝えさせて頂きたいと思います。
こちらについては、事前に以下のようなマスコミの報道もありました。
つまり、現在はエイベックスの会長である松浦勝人さんとデビュー当時の浜崎あゆみさんの過去の熱愛話が、その内容の中心であると報じられていました。
そして実際に読んでみると、個人的には想像以上に、浜崎あゆみさんと松浦勝人さんの恋愛のストーリー色を強く感じ、ほぼ全編に渡ってその経緯や心情などが描かれていると思います。
しかしこの小説は、単なる浜崎さんらの過去の私生活の告白だけでなく、二人三脚でスターへの階段を駆け上がっていった浜崎さんと松浦さんが、その過程やお互いの存在によって人間的に何を得ていったかといった部分も垣間見え、この辺りはファンならずともグッとくるものがあるのではないかという気がします。
小説は序章、第一~第五章、終章に区切られていて、浜崎さんと松浦さんの出会いのエピソードから恋心を抱く過程、そして恋人同士となり別れを迎えるまで、さらにその後の再会や過去の熱愛を経た現在の二人の関係性などが描かれています。
この小説の殆どは、浜崎さん目線から見た出来事や心情で綴られているのですが、著者は小松成美さんという作家さんのため、事実とフィクションの境界線については分からない部分はあります。
(現に浜崎さんも、巻末のメッセージ文で、その辺りの答え合わせをするつもりはないとのコメントを寄せています。)
しかし全編に渡り、物語調というよりは出来事や浜崎さんの思いがストレートに描かれていると感じますし、心を打つような熱い記述も多いことから、これが作られたストーリーだったとしたら逆に凄いなという気もします。
では少し回りくどい説明となりましたが、次段落からは実際の小説の内容について、もう少し詳しく見ていきたいと思います。
小説「M 愛すべき人がいて」のストーリー概要 浜崎あゆみと松浦勝人の関係性【ネタバレ注意】
浜崎あゆみさんにまつわる小説「M 愛すべき人がいて」はとても長い作品であるため、その全てを伝えきることはできませんが、とりあえず筆者の視点から見た同小説の概要を、ざっとご説明したいと思います。
浜崎あゆみ、松浦氏との恋を初告白 秘話綴られた本『M 愛すべき人がいて』が出版|BIGLOBEニュース https://t.co/jjLesvtrnm pic.twitter.com/yHdyiHdBya
— BIGLOBEニュース (@shunkannews) July 31, 2019
【冒頭~前半】再会から始まり、出会いのエピソードへ
まず小説の冒頭のシーンは、現在(正確には20周年ツアーの直前となる2018年秋)から始まり、リハーサルなどの準備に追われる浜崎さんの心情の描写から綴られています。
少女時代から愛着を抱く海に対する思い、20年前に好きになった人(松浦さん)への思い、ツアーに向けてのプレッシャー、”マサ”こと松浦勝人さんとの再会やこれからの活動についてなど…。
2016年末、離婚を経てアメリカの家を引き払い、年明けに日本に戻ってきた浜崎さんを、空港で出迎えたのは松浦勝人さんだったそうです。
これを受けて浜崎さんは、驚きと過去の切ない記憶が蘇ったそうですが、松浦さんがこの日、浜崎さんを迎えに来たのには意味がありました。
2人はその後、レストランで食事をしながら幾つかの会話を交わし、松浦さんは浜崎さんを迎えに来たのは、もう一度、自分が今後の浜崎さんの活動をサポートするためであると伝えました。
詳しい二人のやり取りや出来事については、実際に小説を読んで頂きたいのですが、こうした経緯から浜崎さんと松浦さんは共同の仕事を再開していくことになったようです。
続いて話は、約20年前の浜崎さんと松浦さんの出会いに遡り、浜崎さんが上京してタレント活動をしていた頃の高校時代の話などが描かれています。
浜崎さんは高校時代、あまり友人を作らないようにしていたそうですが、その中でメイ(おそらく仮名?)という女優の子とだけは打ち解け、学校終わりにもよく遊ぶ仲になったそうです。
そして、メイさんと渋谷などで遊ぶようになった浜崎さんは、1994年12月に六本木にオープンしたてだったディスコ・ヴェルファーレに年齢を2つ偽って入店。
音楽と歌と光と人が混ぜ合わさる様子に惹かれ、次第に週2・3回、店を訪れるようになります。
その後、浜崎さんは17歳で高校を中退しますが、芸能活動をしながらヴェルファーレに通っていると、顔見知りのスタッフからVIPルームへ案内されることに。
そして、そこの一番奥のソファーに座っていたのが松浦勝人さんでした。
当時から松浦さんはmax matsuuraとして有名な存在で、浜崎さんも驚いたそうですが、当初の浜崎さんに対する松浦さんの反応はそっけないものだったようです。
しかし、その年のヴェルファーレのカウントダウンイベントに入場することが出来た浜崎さんは、再度、VIPルームに通され、松浦さんと電話番号を交換するに至ります。
(フロアのスタッフによると、当時、松浦さんはVIPルームで次のスターとなる、宝石の原石を探していたとのこと。)
その後は、松浦さんから浜崎さんの元へ連絡が来るようになり、何回かVIPルームで会ったり、バーでカラオケを歌うように指示されるようになっていきました。
こうしたやり取りを経て、浜崎さんは松浦さんといると、少しだけ今より先の自分を感じることができると思え、タレント活動よりも楽しいと感じていたそうです。
そして、7度目の電話で、松浦さんは浜崎さんをドライブに連れ出し、自分が生まれた横浜へ連れていき、港が見下ろせる見晴らし台のある公園を訪れたそうです。
(のちに、ここが重要な思い出の場所になっていきます。)
そして次第に浜崎さんは、松浦さんの前で歌うことや、その時間が好きになっていったとのことで、この時期あたりから恋心が芽生え始めていったことが窺えそうですね。
さらにその後、浜崎さんは芸能事務所を辞め、それを松浦さんに告げるとエイベックスで歌手になるように勧められます。
(この辺りの経緯は、松浦さんの2010年5月19日のブログに詳細が書かれています。)
結局、浜崎さんはこの提案を受け入れることになるのですが、決心するまでには何度も不安で迷ったようです。
しかし、そうした浜崎さんに松浦さんが幾度となくかけた言葉は、
俺を信じろ。
だったといいます。
こうして、歌姫・浜崎あゆみの誕生へ向けた第一歩が踏み出されたのでした。
【中盤】次第に惹かれ合い、恋人同士に
そして1997年1月、松浦さんからヴェルファーレのVIPルームに呼び出された浜崎さんは、衝撃の提案を受けます。
それは、浜崎さんにボイストレーニングとダンスレッスンのために、3か月間、ニューヨークへ行ってこい、というものでした。
現地では一人の日本人コーディネーターは居るものの、浜崎さんは単身でニューヨークへ行くことを命じられます。
上京して芸能活動を始めたものの、なかなか売れなくて夢を失い、やりたいことが分からなくなっていた浜崎さんは、こうして次々に目標を与えられる度に、そこに向かって進んでいく自分を愛おしく感じ、自分を後押ししてくれる人(松浦さん)のためにも、目標を達成したいという気持ちが強くなっていったそうです。
しかし、浜崎さんが実際にニューヨークに着くと、言語が分からず食事にも苦労し、さらにボイストレーナーは鬼のように厳しい人で、ダンスレッスンも含め、相当ハードな内容に苦しんだといいます。
さらに帰国後も、浜崎さんにはアイドルやボーカルグループらと共に行うトレーニング合宿への参加が命じられ、歌の世界の厳しさを痛感したようです。
また事務所を辞め、フリーになっていた浜崎さんを、松浦さんは身内以外の関係者にも会わせるようになっていったそうですが、多くの人達からは「この子は売れない」といったような否定的な意見を受けたとのこと。
この時、松浦さんは黙って話を聞いていたものの、テーブルの下では手が拳になって震えていたといい、浜崎さんは自分を否定する人達への松浦さんの怒りの感情を知って、何を言われても平気に思えるようになったとか。
一方で、浜崎さんはその胸に密かに抱えていた松浦さんへの恋心にも苦しめられることに。
また松浦さんには、その頃、家を出て一人暮らしを始め、さらに新たな恋人がいるという噂が流れていたようです。
そんな中、1997年の年末、浜崎さんの元に松浦さんから一本の電話がかかってきます。
歌手デビューの日が、翌年の4月8日に決定したという知らせでした。
その後、相談の結果、浜崎さんはソロでデビューすることが決定し、松浦さんから、
自分で詞を書いてみろよ。
と提案されます。
最初は何を書いて良いか分からなかった浜崎さんでしたが、松浦さんから、
思ったことを書けばいい。
というアドバイスを受けて、自分自身のことを書こうと思ったそうです。
そしてそれは、世界で最も尊敬するプロデューサーであり、恋をした松浦さんに対して自分の気持ちを書いた”手紙”となっていきました。
浜崎さんは出来上がった詞を便箋に写し、その手紙を松浦さんに届けたそうですが、その内容を見た松浦さんは浜崎さんの才能に驚嘆し、さらなる”ラブレター”の数々が生み出されていったようです。
こうした浜崎さんの松浦さんへの思いは、小説の中で度々、詞として挿入されているのですが、恐らく実際の浜崎さんの楽曲にあるものだと思われ、この小説を通して読むと、その意味がより深く理解できるのではと思います。
こうして自分の思いを吐き出す術を見つけた浜崎さんでしたが、同時に叶う事のない恋に、その気持ちを直接、松浦さんへ伝えられないことに辛い思いも抱いていたようで、小説の記述からはそうした微妙で複雑な心境が窺えます。
そんな最中、デビュー曲のレコーディングの準備が進んでいったものの、デビューが決まった頃、一緒に上京してきていた浜崎さんのおばあちゃんが、体調を崩し地元の福岡に帰郷。
そして浜崎さんが、スタジオに入って歌う日々を過ごしていた時、おばあちゃんが福岡で亡くなってしまったのでした。
浜崎さんは幼い頃にお父さんが居なくなり、以来、お母さんとおばあちゃんの3人で暮らしてきたため、おばあちゃんには相当な愛情を抱いていたようです。
詳細は小説を読んで頂きたいのですが、そこにはおばあちゃんとのエピソードや小さい頃から思春期にかけての浜崎さんの回想なども描かれています。
こうした出来事を経ながら、浜崎さんの1stシングル「poker face」のレコーディングは完成していくのですが、この頃、浜崎さんは中野の家を出て、松浦さんの所有していた恵比寿の高層マンションの一室にメイさんと引っ越します。
その頃、メイさんが知り合いから、松浦さんが正式に離婚したという話を聞きつけ、浜崎さんに伝えます。
しかし、この時も浜崎さんはドキドキはしたものの、松浦さんは現在の彼女と結婚するのだろうと思い、諦めに似た感情を抱いたとか。
一方の松浦さんは、浜崎さんのデビューに際し躍起になるあまり、関係者に宣伝が十分でないなどと苛立ちをぶつけるようになっていたといいます。
それを知った浜崎さんは、未熟な自分のせいで松浦さんが他のスタッフにフラストレーションをぶつけているのかも知れないと思い、何とかしようと、自分の偽りのない気持ちを記した本当の手紙を送ることにします。
そこには、ヴェルファーレで出会った時からずっと松浦さんが好きだったことや、自分がプライベートで愛される存在ではないと分かっていること、そのため、これからもプロデューサー・max matsuuraとアーティスト・浜崎あゆみの関係として、導いてほしいことなどが記されていました。
この手紙を浜崎さんは、松浦さんのプライベートルームのFAXに送信。
すると翌朝、松浦さんから返ってきたFAXには、「俺にとってお前が必要」などと記されていました。
さらに翌日、松浦さんは、浜崎さんとそのお母さんが暮らす中野のマンションを訪れ、お母さんに向かって、浜崎さんと真剣に交際していると宣言。
さらに次は、浜崎さんを車に乗せ、横浜の松浦さんの実家まで連れていき、自身の両親に浜崎さんを彼女であると紹介しました。
その後の帰り道、二人は以前に訪れた公園に寄り、出会ってから初めて手に触れ合います。
そして松浦さんは、浜崎さんに自分と付き合ってほしいこと、以前の彼女とは別れたことを告げ、さらに帰りの車中ではキスを交わしました。
この頃から、浜崎さんにはプロデューサーとしての松浦さんと恋人である松浦さんを感じるようになり、また自身もアーティストとしての浜崎あゆみと松浦さんの彼女である19歳の自分を感じるようになっていったそうです。
そして、浜崎さんのデビューは華々しく飾られ、松浦さんの部屋の改装が終わると、浜崎さんはその青山のマンションへ引っ越し。
こうして同棲生活が始まったものの、忙しさから殆ど一緒に過ごすことが出来なかったそうですが、何とかスケジュールを調整し、2か月後に夕方から翌朝までの時間を作り、横浜のホテルで二人きりで過ごしたそうです。
そして翌朝、浜崎さんは松浦さんに「今日からマサって呼んでいいですか?」と尋ね、”マサ”と”あゆ”と呼び合うように。
さらに、その後は浜崎さんの人気も上昇していき、20歳の誕生日には、松浦さんから浜崎さんのためにデザインされた指輪を貰ったそうです。
この頃、浜崎さんは「いつか欲しいプレゼントがある」とおどけて松浦さんに話します。
それは、最高のシンガーになって松浦さんの夢を叶え、もう少し時間が経ったら、子供を産み、松浦さんと子供達のために過ごす母親になりたい、というものでした。
こうしてやり取りを経ながら、二人は恋人同士として、またプロデューサーとアーティストとして、という2つの絆をより強めていったようです。
【後半】別れの訪れと、その後の現在
上記のような経緯で、お互いの絆を強く深めていった浜崎さんと松浦さんでしたが、あまりに大きくなっていった”浜崎あゆみ”という存在によって、恋人としての関係が崩れていくことになります。
松浦勝人と濱崎歩という関係でいることが浜崎さんの願いで、松浦さんも初めはその努力をしてくれたそうですが、妥協せず上を目指す性格の松浦さんと、等身大の自分と剥離していく”浜崎あゆみ”という存在に恐怖さえ抱くようになった浜崎さんとの間には、次第にズレが生じていったようです。
心の中で助けを求める浜崎さんを尻目に、松浦さんはさらに仕事を加速させ、さらに重圧から荒れて多量の飲酒をするように。
その後、幾つかのエピソードが描かれていますが、結局、二人は1999年の春~夏を迎える頃には形だけの生活になり、浜崎さんはただ着替えるためだけに帰宅するようになり、松浦さんは仕事部屋で寝泊まりすることが増加。
そして、二人で飼い始めた子犬を、浜崎さんが松浦さんの寝泊まりしている部屋に届けに行った際、事件が発生。
一人でいると思われた松浦さんが、若い女性達と盛大に飲み会を開いていたのでした。
これを受け、浜崎さんは松浦さんの部屋を出て、メイさんに子犬を託し、以前、松浦さんと泊まった横浜のホテルへ。
この日のショックから、入っていたスケジュールも無視し浜崎さんは2日半の間、失踪。
結局、松浦さんは前日の宴会は仕事の一環だったと説明し、浜崎さんに謝罪したものの、二人のためにプロデューサーとしての仕事を休むことは拒絶。
恋人としての関係を大切にしたい浜崎さんと、今はファンや会社、そして浜崎さん自身のためにも、”浜崎あゆみ”としての活動を重要視する松浦さん。
こうして二人の距離は離れていき、恋人としての関係は終わりを迎えたようです。
そしてその後、松浦さんはハワイへ移住。
ついに訪れた別れに、浜崎さんは涙が涸れるまで泣いたそうですが、それを乗り越え、”M”という曲に永遠の愛や尊敬を込めたとのことです。
そして、物語は最終盤の再会後の浜崎さんと松浦さんの話に。
2018年秋から始まった浜崎さんのツアー初日、松浦さんはその場に駆け付けていたそうで、その時のやり取りが中心に描かれていますが、そこには過去の失恋に対するネガティブな様子は見受けられません。
その記述から総合的に判断すると、現在の浜崎さんはファンに向けて歌うことやステージに立つことが、自分らしさや居場所になっているように見受けられ、松浦さんのことは今後の”浜崎あゆみ”の向かう場所を共に見る存在であるといった記述もあります。
そして浜崎さんは、松浦さんとは長い間会えなくても、もう寂しくはなく、松浦さんへの感謝を胸に、これからも歌い続けるといった内容で締められています。
あまり詳細を書くと面白くなくなるので、この辺で止めたいと思いますが、個人的な解釈を述べさせていただけるなら、浜崎さんは長い年月を重ねた現在、過去の破局の一因となった松浦さんの描いていた”浜崎あゆみ”像を心から受け入れ、二人に分離していた”濱崎歩”と”浜崎あゆみ”を結び付けることが出来たのかも知れないなと感じました。
【終わりに】この小説の内容要約&筆者の感想
浜崎あゆみさんの半生を基に描かれたノンフィクション小説「M 愛すべき人がいて」について、筆者の拙い読解力&表現力なりに概要をお伝えさせて頂きました。
この小説は、アーティスト・浜崎あゆみさんらしく詩的な表現なども多用され、一度読んだだけではその真意は図り知れませんが、その内容を簡潔にまとめるなら、
歌姫・浜崎あゆみの誕生までの道のりと、その裏に秘められた恋愛物語
といった感じでしょうか。(センスのないタイトルで、すみません…^^;)
正直、筆者は浜崎あゆみさんの熱烈なファンと言う訳ではありませんが、実際にこの小説を読ませて頂いた感想としては、ネットの一部で批判されているような”私生活の切り売り”といった印象は全く受けませんでしたし、むしろこうしたありのままの”浜崎あゆみ”をさらけ出すことで、今後も如何なる批判にも負けずに自分の道を貫いていくんだ、といった信念のようなものを感じました。
確かに、独特の表現方法や世界観などは賛否両論あるとは思いますが、それはどんな人でもあることだと思いますし、むしろアーティストなら自己表現に怯えていては失格ですしね。
小説の内容の要約ということで、もう少しだけ説明させて頂くとすれば、流れ的には、
・浜崎あゆみさんが松浦勝人さんと出会う
↓
・松浦さんから自分の進む道を示してもらう
↓
・アーティストとプロデューサーという立場で、同じ夢を追いかけ始める
↓
・次第にお互いに恋心を抱くようになり、交際が始まる
↓
・夢が実現すると共に、価値観に違いが生まれはじめる(浜崎さんは恋愛を、松浦さんは夢を重視)
↓
・生まれた溝は埋まることなく、二人の交際は破局
↓
・長い年月を経て、もう一度”浜崎あゆみ”という夢に共に向かい合う
といったストーリーだったのかな?と感じます。
個人的な感想としましては、特に小説の後半は劇的な展開や感傷的な表現などでグッとくる部分が多く感じましたし、それを乗り越えた最後は爽やかかつ力強い展開で締められ、スッキリと読み終えることが出来ました。
また、浜崎さん云々という話を抜きにしても、ひとつのことに半生を捧げてきた一人間の物語としても、なかなか考えさせられる内容になっているのではと思います。
勿論、どこまでが事実で、どこまでがフィクションか分からないという所はありますが、それでも大筋でこのストーリーが事実なのだとすれば、筆者がいうのはおこがましい話ですが、浜崎さんは物事に対する深く鋭い洞察力をお持ちなんだなと、時代を築いたカリスマは流石に凄かったんだなと改めて感じさせられました。
さらに、デビューから20年を過ぎても、今後も第一線を歩んでいこうとする浜崎さんの強い意志も垣間見えますし、この小説を読み返せば、浜崎さんがこれから何処へ向かおうとしているのかが見えてくるのではないかとも感じました。
【筆者感想・プチ追記】
今回の小説を読み終えて数日間、この作品のメッセージや、それを発表した浜崎さんの真意がイマイチ分からなくて、モヤモヤとした疑問が頭の中に残っています。
しかし、それらのクリアな部分は結局、浜崎さん自身しか知りえないことであり、だからこそ小説については、読み手なりに解釈するしかないのかなという結論に達しました。
ちょうど”歌”でいうところの、作り手と聴き手の関係のように。
出会いは一期一会と言いますが、浜崎さんにとって松浦さんは特に、恋をする女性としても、アーティストとしても、自分を自分らしく輝かせるために不可欠な存在だったのでしょうし、そこに捧げた情熱の記憶を伝えたかったのかも知れませんね。
この小説について、世間では手厳しい意見も多いようですが、筆者としては、浜崎さんの生き様の一部を垣間見ることが出来ただけで、十分読むに値するものだったと思います。
【関連記事】