毎回、世界の珍しい映像や興味深い出来事を放送する日本テレビ系バラエティ番組「世界まる見え!テレビ特捜部」。
7月24日の放送では、「真夏なのに背筋が凍る!戦慄の瞬間スペシャル」と題して、多くの衝撃映像が放送されるようです。
番組予告を見ていると、そんな中でも「おばあちゃんファイトクラブ」というコーナーが目につきます。
同じく番組予告によると、
ケニアのスラム街である「コロゴチョ」の一角で、大声を張り上げながら空手の稽古に励む高齢女性たちの姿が・・・。
と紹介されています。
という事でこの記事では、そんな「おばあちゃんファイトクラブ」なる、ケニアのコロゴチョで空手に励むおばあちゃん達の実態や、コロゴチョという地域について調査してみたいと思います!
目次
ケニア・コロゴチョにある「おばあちゃんファイトクラブ」 学ぶのは護身術 その理由は?
という事で、ケニアのコロゴチョで空手に励むおばあちゃんについて情報を探ってみると、2010年の4月頃に報じられた記事が見当たりました。
— ねたろう (@cQxPGoKcnpEOn4Y) April 5, 2019
その記事によると、
ナイロビ近郊のコロゴチョ・スラムでは、約3年前から教会などを道場代わりに、?週2回武道教室が開かれている。
若い武道家らが空手やテコンドーなどを約50人の高齢女性に教えており、最高齢は104歳だ。
引用:http://www.47news.jp/CN/201004/CN2010042401000130.html
とあるので、今からおよそ10年ほど前から、コロゴチョでは高齢女性に対する武道教室が開かれるようになっていたようですね。
このおばあちゃん達が住むコロゴチョと呼ばれるスラム街は、治安の悪い地区として有名なようで、高齢者がレイプ被害に遭うこともあるんだそうです。
2010年当時の記事のインタビューによると、
参加者の一人、メアリーさん(77歳・当時)は、
昨年5月、路上で若い男に襲われそうに?なったけど、張り倒してやったわ。
今度襲われたら、思いっきり蹴ってやる。
別の参加者のグラディスさん(99歳・当時)は、
一人暮らしなので夜怖かったが、護身術を学んでもう怖くない。
などと話していたようです。
(情報参照元:http://www.47news.jp/CN/201004/CN2010042401000130.html)
また別の記事によると、
ヌジョッキさん(90歳・2010年当時)という方は、路上で若者になけなしの金を奪われそうになったので、教室に通い始めたそうです。
さらに、この辺の言い伝えでは高齢の女性と性行為をすると、罪が消えるといわれ、犯罪者らが実践しているということで、2009年は70歳以上の女性が4人もレイプ後、川に投げ込まれ殺されたと言います。
そして地元女性のカリユキさんが2007年頃から、NGOの研修で学んだ護身術を週2回、無料で教えてくれるようになったんだそうです。
そして自称104歳(2010年当時)のワンジコさんも、裸で近づいてきた男に「とんでもない目にあわせるぞ」と叫んだら、近所の住民が出てきて、男は取り押さえられたそうで、護身術の威力はたいしたものだと評判になったようです。
(情報参照元:http://www.pc.mmtr.or.jp/~isamutg/short/ikitekibi.htm)
と上記のように、コロゴチョ・スラムで暮らす高齢女性の方々にとって、武道教室は趣味や健康などといった生易しいものではなく、自分達の命を守るための大切な護身術のようですね。
ボクサーのようにパンチを繰り出すその姿を、パッと見たときは、「元気なおばあちゃん」といった印象で笑ってしまいましたが、その事情を知ると決して笑えない問題を抱えているという事が分かりますね><
コロゴチョ・スラムとは? 貧困に苦しむ人達も少なくない
そんな高齢女性を中心に、武道教室が盛んなケニアのコロゴチョですが、具体的にどんな地域なのか、もう少し詳しく調べてみたいと思います。
「コロゴチョ(Korogocho)」とは、ケニアの首都ナイロビの東に位置する地域で、現地の言葉で「ゴミ」を意味する地域名だそうで、その名の通り、大きなゴミ処理場の周辺に形成されたスラム街なのだそうです。
首都ナイロビから出される、全てのゴミがここへ集められるとも言われています。
そして、このコロゴチョ地域には、およそ12万人の人々が暮らしているそうですが、その多くは安全な水や食料を手に入れられず、およそ半数の人達が1日1ドル以下で生活しているそうです。
さらにこの地域の住民の多くの方が、日々拡大し続ける1.5キロ四方のゴミ山で売れそうな物を探し、生計を立てているとも言われ、また衛生環境もとても劣悪だそうです。
腐敗したゴミとゴミを燃やす煙によって、ひどい悪臭が漂い、環境にも人々の健康にも悪影響を及ぼしていると言われています。
さらに、ゴミ山の横を流れるナイロビ川は、汚染されてその水は使用出来なくなっているそうです。
しかし、コロゴチョの人達はトラックから降ろされる新しいゴミに集まり、「食べられる」残飯やプラスチック・ポリエチレン廃棄物などを集め、食べたり売ったりしながら暮らしているそうです。
(本章のここまでの情報参照元:http://sv24.wadax.ne.jp/~gnjp-org/part/project/sup_reg_ken_site.html)
またその他の情報を見ていても、ケニアはサハラ砂漠以南のアフリカで第3位の経済規模を誇る国で、首都のナイロビも高層ビルが立ち並ぶアフリカ有数の大都市である一方、貧富の格差は深刻で、ある記事によると、ナイロビの人口約400万人中、60%の人々が市の居住地の5%に過ぎないスラムに集中して居住しているとの情報もありました。
以上のような情報から、コロゴチョでは貧困によって苦労されている人達も少なくないようですね…。
コロゴチョの人々はそれでも明るく生きている
といったように、ここまではスラム街コロゴチョの治安の悪さや貧困問題など、暗い側面ばかり見てきましたが、コロゴチョに暮らす人達はネガティブな人達ばかりではなく、前向きに暮らす方々も多いようです。
以下に、その様子の一部をご紹介したいと思います。
コロゴチョの美人コンテスト
コロゴチョでは、貧困や危険が絶えないにも関わらず、毎年美人コンテストが開催され、多くの美しい女性達が明るく元気に、笑顔でウォーキングなどをこなしているそうです。
Ghetto Classics Project(ゲットー・クラシックス・プロジェクト)
ゲットー・クラシックス・プログラムは、2008年に始まった、ケニア最大のスラムの一つであるコロゴチョの、650人以上の子供を巻き込んだコミュニティプログラムだそうです。
音楽教育を通じて、青少年に自分自身と地域社会をより良くする機会や、収入を生み出す機会を提供しているそうです。
楽器は借り物で、活動資金の制限から練習回数もままならないながらも、地元の学生を中心に、小学校や教会などで、熱心にブラスバンドの練習に励んでいるそうです。
また詳細は割愛しますが、上記の活動の他にも、コロゴチョの貧しい子供たちを、2006年に韓国の宣教師が見つけ、創立した「ジラニ合唱団」や、国際NGOの支援を受け、日本へ留学に訪れているコロゴチョ出身の学生が存在するなど、コロゴチョの人達が力強く暮らす様子を伝える情報は、ネット上にも多く見受けられました。
感想
という事で、コロゴチョのおばあちゃんの武道教室の話題にちなんで、その活動の理由やコロゴチョという地域の実態について、簡単ではありますがご紹介させて頂きました。
私達の暮らす世界の反対側で、全く違う暮らしぶりを送る方々が居る事が新鮮に感じましたが、希望を持って生きる姿勢は共通し、またいろんな人や出来事を通じて、繋がっているのかも知れないなと思いました。
これからも、コロゴチョの人達が幸せに、少しでも豊かに過ごせるように、遠い異国の地から願っています!