森友学園のゴミとは?処理の経緯や埋め戻し疑惑について検証

森友学園のゴミとは?処理の経緯や埋め戻し疑惑について検証

格安で払い下げられた国有地の正当性や、安倍首相との関係性などで、大きく巷を騒がせている森友学園(もりともがくえん)ですが、疑惑のひとつである小学校敷地の地下のごみ処理について、実際に作業に関わったという男性が「敷地内にゴミを埋めた」と証言しているそうです。

この証言が事実ならば、小学校の開校の認可や、ごみの撤去費用として差し引かれたと言われる8億2000万円の違法性についても、問題視されてくるのではないかと思います。

今回はこの発言の詳細や、およそ8億2000万円と見積もられたというゴミ処理の概要・経緯について、現在までの情報を整理して見ていきたいと思います。

森友学園(もりともがくえん)のゴミ処理の概要について

ではまずは、今回の森友学園の国有地の購入や、ごみ処理の概要・経緯について、見直してみたいと思います。


大阪・豊中市の今回の土地は、国土交通省大阪航空局が、平成21年~24年に、レーダー探査などによって地下の状況を調査した結果、およそ8770平方メートルの敷地の全域で、3メートルの深さまで、廃材やコンクリート片などが確認されたほか、土壌の一部にはヒ素や鉛が含まれていることがわかった。

そして財務省近畿財務局が売却先を公募し、おととし5月、学校法人「森友学園」との間で、将来の売却を前提とした土地の貸付契約を結んだ。

このあと国は、森友学園が廃材などの撤去工事や、土壌改良を行ったことを現地で確認したうえで、その費用として、1億3000万円余りを学園側に支払った。

しかしさらに去年3月、学園側から、校舎や体育館を建設するため、長さ9.9メートルの杭を地中に打っていたところ、新たに廃材や生活ごみなどが見つかったと連絡があった。

このため、近畿財務局が大阪航空局に対して、撤去や処分にかかる費用の見積もりを依頼。

大阪航空局は以前のレーダー探査のデータなどを踏まえ、校舎などが建つ全体の60%の土地を対象に、最大で深さ9.9メートルまで土を掘り起こし、廃材などを撤去・処分するという想定で、かかる費用を計算し、およそ8億2000万円という見積もりを算出。

これを受けて、近畿財務局は去年6月、土地の鑑定価格、9億5600万円から撤去費用を差し引いた1億3400万円で学園に売却した。

国土交通省によると、地中10メートルまでの廃材などの埋設物を、学園側が実際に撤去したかどうかについては、確認していないとの事。

参考:http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170223/k10010887721000.html

つまり初めは、この敷地内は地中3メートルの深さまで、廃材などが埋まっていて、ヒ素などを含んだ土壌である事は分かっていたみたいで、「森友学園」がその撤去工事や土壌改良を行ったことは現地で確認されていたようですね。

しかし、学校建設を進めていくに当たって、長さ9.9メートルの杭を地中に打っていたところ、さらに新たに廃材や生活ごみが見つかった事で、その撤去費用を見積もった結果、8億2000万円となった。

そしてこの土地は、8億2000万円の撤去費用を差し引いて「森友学園」に売却されたが、地中10メートルまでの廃材などの埋設物を学園側が実際に撤去したかについては、未確認といった所のようですね。

ですので、今回実際に作業をした男性が発表した「ゴミの埋め戻し」疑惑については、国はチェックしていなかったという事になりますし、適切な処理がなされた証拠はないと言えると思います。

森友学園側や国の説明

この件の見積もりの正当性やごみの埋め戻し疑惑については、国や森友学園は以下のように述べています。

まず今回の土地の、地中のゴミの撤去費用の算出方法について国土交通省は、以下のように説明しています。

以前行ったレーダー探査などの結果をもとに、ゴミを撤去する区域は全体のおよそ60%となる5190平方メートルで、土の中に占めるごみの混入の割合は47.1%と設定された。

そして、撤去のために土を掘削する深さは、杭を打つ場所が9.9メートル、校舎などを建設する場所が学園側の試掘の結果を踏まえて3.8メートルとされた。

そのうえで、土地の掘削、トラックへの積み込み、土地の埋め戻し、ゴミの運搬、それに、処分場での作業のそれぞれの費用を算出して積み上げ、ゴミの撤去費用の総額は、およそ8億2000万円となった。

国土交通省は「近畿財務局と協議して適切に見積もりを行った」と説明している。

参考:http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170223/k10010887721000.html

という事で、この金額の正当性を主張しています。

また森友学園側も今回の「ゴミの埋め戻し」証言に対して、大阪府が学園に確認したところ、「工事で出たごみを埋め戻すなんてあり得ない」と否定しているようです。

さらに調査権限のある豊中市は、「掘り起こして調査する予定はないが、速やかに業者に処理状況を確認したい」と説明しています。

ごみ処理に関わったとされる男性の証言

また今回の、ゴミの埋め戻しがあったという証言についてですが、民進党の玉木雄一郎氏が衆院予算委員会で、処理業者(京都府)の証言として明らかにしたほか、各新聞社への取材でも、この業者は認めているそうです。

具体的には、業者は昨年11月に下請け業者に頼まれ、建設工事中に掘り出された約2千立方メートルの生活ごみなどが混ざった土砂を運び出すことになり、国の見積もりの約5分の1にあたる規模だったと言います。

そして実際に搬出したのは半分ほどで、残りは運動場予定地に埋め戻したというのです。

*画像はイメージです。

空になったしょうゆやマヨネーズの容器、靴、衣類などが混じった、埋め戻されたその土は、アンモニアのような強い異臭を放ち、昼食などはのどを通らなかったと言います。

証言された男性は「子供が遊ぶ場所で問題だと思った」とも語っているようです。

この証言を基に、民進党の玉木氏は「法令に違反して敷地に埋められたのであれば、改めて確認する必要がある」と指摘しましたが、財務省の佐川宣寿理財局長は「契約上(状況を把握する)義務はなく、詳細は承知していない」と答弁しています。

まとめ

という事で、森友学園の購入した国有地のゴミ撤去問題について、調べてみました。

撤去費用の算出方法もそうですが、何より埋まっていたゴミの混ざった土を、掘り起こしながらまた埋め戻したとなると、小学校の開校認可の先送りや、不認可についても懸念されると思われます。

詳細は今後の調査で明らかになってくると思いますが、まずは入学希望者や利用される方の安全を、最優先に配慮する対策を講じて頂きたいですね。

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