4月7日より公開中の話題の映画「LION ライオン 25年目のただいま」ですが、この映画は実話に基付くもので、その物語が4月27日放送のフジテレビ系「奇跡体験!アンビリバボー」でも紹介されるようです。
そのストーリーは、些細な出来事から迷子になってしまった少年が、25年もの間、遠い異国の地で暮らしながらも、本当の家族を探す物語となっているようです。
今回は、そんな実際に起こった数奇でありながらも、感動を呼んだ物語について、ご紹介したいと思います。
目次
サルーブライアリーのプロフィールや迷子になった経緯
それではまず、この物語の主人公であるサルー・ブライアリーの経歴や、サルーが迷子になってしまった経緯についてご紹介したいと思います。
— ねたろう (@cQxPGoKcnpEOn4Y) April 8, 2019
サルー ブライアリー(Saroo Brierley)
誕生年 1981年(35or36歳)
出身地 インド、マディヤ・プラデーシュ州
国籍 オーストラリア、インド
この物語の発端となった舞台は、1986年のインドで、インドのスラム街に暮らす当時5歳の少年だったサルーが、兄と仕事を探しに出かけた先で、停車中の電車で眠り込んでしまった事から、迷子になってしまったのでした。
サルーは幼い頃、父親と母親が別れ、貧しい暮らしをしていました。
母親は子供達のために必死で働くも、家族が食べていくだけの十分な稼ぎを得られず、学校に送る余裕もなかったと言います。
そういった事情からサルーの兄も、最寄りの駅から1時間ほどの「ベランプール」という駅の近くで働き、時折サルーもその仕事を手伝っていました。
しかしある夜、兄と一緒に「ベランプール」に向かったサルーは、駅に着いたところで疲れ果て、ベンチで眠ってしまいました。
兄はやむを得ず、すぐ戻ってくる事を伝え、仕事に向かいます。
しかし目を覚ましたサルーは、兄が居ない事から、探そうと駅に止まっていた電車に乗り込んでしまい、これがサルーの人生を大きく狂わせます。
なんとサルーが乗った電車は無人の回送列車で、1600キロも離れた地であるコルカタまで運ばれてしまい、家族と生き別れてしまったのです。
コルカタでホームレスとなり、その後、養子としてオーストラリアへ
5歳という幼さで、コルカタの地で天涯孤独となってしまったサルーは、しばらくはコルカタでホームレスとして生活しました。
そしてその後、孤児院がサルーを保護。
職員達はサルーの家族の居場所を突き止めようと努めましたが、5歳のサルーに故郷を追跡出来る十分な知識はなく、正式に迷子になってしまいました。
そしてオーストラリア・タスマニアの、オーストラリア人夫妻のブライアリー家のもとへ養子として出され、サルーはオーストラリアでその後の人生を歩み始める事になるのでした。
サルーが母・カムラと再会出来た理由 Google Earthで見つけ出した!
そんな数奇な運命を辿りながらも、オーストラリアのブライアリー夫妻によって、サルーは経済的にも愛情にも恵まれながら育っていきました。
しかし、サルーの心の中には、
世界中の何処かに本当の母や兄弟が貧しく暮らしている。
という想いが、葛藤としてあったようです。
やがてサルーは成長し、テクノロジーも進化した2011年、彼は友人から地理情報システム・?Google Earth(グーグルアース)を使えば、実家を探し当てることができるかもしれないと教えられました。
そしてサルーは幼い頃の僅かな記憶を頼りに、本当の家族や故郷について調べ始め、遂にはその場所を見つけ出し、母・カムラとの感動の再会を果たしたのでした。
サルーのその後や現在 兄の事故死
しかし、サルーが果たした25年振りの家族との再会は、感動の物語だけではありませんでした。
なんとサルーの兄・グドゥは、サルーが行方不明になった日、列車にはねられ亡くなっていたのです。
その日、母は愛する息子を二人同時になくしたのでした。
しかし、母はサルーの帰りを信じて長い間、引っ越さずに待ち続けました。
そんな願いが通じたのか、愛する子供の一人は無事に帰ってきました。
その後のサルーは、オーストラリアとインドを行き来しながら二人の母親を大切にしているようです。
また現在は会社員として働いていて、自らが携わる養子縁組の支援活動にも取り組んでいるそうです。
ちなみにサルーにはグドゥの他に、もう一人カルゥという兄がおり、カルゥが母と妹を支えてきたようです。
映画「LION(ライオン)」 書籍「A Long Way Home」
そんなサルーの半生や実の家族との再会を描いた映画「LION ライオン 25年目のただいま」は、4月7日より絶賛上映されています。
アカデミー賞では「作品賞」「助演男優賞」「助演女優賞」「脚色賞」「撮影賞」「作曲賞」と合計6部門でノミネートされた話題作品であり、残念ながら受賞は逃したものの、前評判やレビュー内容は非常に良い作品となっています。
またサリー本人が直筆した書籍「A Long Way Home」も出版されているようです。