塩谷立の元秘書が死去…理由は文春のダークマネー報道が一因か[フラッシュ]

塩谷立の元秘書が死去…理由は文春のダークマネー報道が一因か[フラッシュ]

9月14日に発売された「週刊文春」にて、8月3日に自民党の選挙対策委員長に起用された塩谷立(しおのやりゅう)衆議院議員にまつわる、「ダークマネー」疑惑が報じられました。

この報道では、塩谷氏のお金に関する疑惑が幾つも浮上して話題となっていたようですが、9月26日発売の「週刊FLASH」にて、さらに驚きの情報が報じられました。

なんと、塩谷氏の「ダークマネー」疑惑を週刊文春に告発したとされる元秘書が9月15日に遺体で発見され、警察は状況から自殺と判断したと言うのです。

という事でこの記事では、今回フラッシュが報じた塩谷氏の元秘書の自殺の記事の概要や、またその死の背景にあったとされる、先日の週刊文春の「ダークマネー」疑惑の記事についてもご説明したいと思います。

塩谷立(しおのやりゅう)議員のプロフィール 安倍自民の選対委員長に起用


塩谷 立(しおのや りゅう)

生年月日    1950年2月18日(67歳)

出身地     静岡県

学歴      静岡高校卒、米国アンバサダーカレッジ卒、慶応義塾大学法学部政治学科卒

所属政党    自由民主党(細田派)

親族      父・塩谷一夫(元衆議院議員、1989年逝去)、母、妻、次男、長女

選挙区     (旧静岡3区)→静岡8区

当選回数     8回

在任期間     1990年2月19日~1996年9月27日、1999年4月11日~2000年6月2日、2003年11月10日~現職

<備考>

  • 文部科学大臣(第11代)
  • 自由民主党選挙対策委員長(第5代)(2017年8月3日就任)

(参照:wikipedia塩谷立自民党オフィシャルサイト

塩谷立(しおのやりゅう)議員のダークマネー問題 文春砲の概要

塩谷立氏の元秘書の自殺の件について、真っ先にご説明したいのですが、それにあたっては先日の週刊文春の報道内容が重要になります。

週刊文春の報道をご存知ない方もいらっしゃると思いますので、まずは「週刊文春」9月14日発売号に記載された塩谷立氏の「ダークマネー」疑惑の概要からご説明させて頂きたいと思います。

なかなか難しい内容となっており、またかなり長い内容となっているのですが、今回のフラッシュの報道をご説明するには週刊文春の報道内容はとても重要ですので、ほぼカットなしで記載させて頂きたいと思います。

(既に週刊文春の記事の内容をご存知の方は、読み飛ばしてくださいませ。)

塩谷氏は静岡県浜松市を地元とし、当選は8回を数え、麻生内閣で文科大臣も務めたベテラン議員です。

安倍首相の出身派閥である細田派に所属しており、解散総選挙をにらみ、8月3日からは選対委員長に起用されました。

そんな塩谷氏の元秘書(元事務所スタッフ)が、週刊文春に対して以下のように証言したのです。

事務所には、勤務実態がほとんどないにもかかわらず、公設秘書の給与を受けていた人物がいました。

引用:「週刊文春」2017年9月21日号

つまり、ほとんど働いていなかったと思われる方に対して、公設秘書の給与が支払われていたと言うのです。

この証言をした、塩谷氏の元事務所スタッフが説明するところによると、この勤務実態がないのに給与を受け取っていた人物とは、2007年頃から2011年まで秘書だったAさんという女性だそうです。

Aさんは、アルバイトとして塩谷事務所入りした後、公設第一や第二秘書を務めていたそうです。

(国会議員には、公設秘書として政策、第一、第二秘書が付され、いずれも国家公務員となり、給与は国から支給されるのだそうです。)

問題のAさんの勤務実態はと言うと、元秘書の方々が言うにはほとんど顔を見たことがなく、会館に来るのは多くて週に一、二回ほどで、しかも夕方には「新幹線の時間なんで」と帰っていたそうです。

(Aさんは2009年頃から、結婚して子育てをするために、東京から約200キロ離れ、通勤に約二時間かかる静岡県藤枝市に引越し、住んでいたようです。)

ちなみに公設秘書の給与は、第二で年700万円、第一では年1000万円にのぼるそうで、こうした多額の給与を受けるほどAさんが重用されていた理由として考えられるのは、Aさんの姉が、この事務所の政策秘書を務める渡辺桃子さんという方なのだそうです。

この方が事務所を仕切る金庫番で、塩谷氏からも信頼が厚く、また疑問を感じても渡辺氏の手前、何も言えなかったようです。

また2012年2月、東京新聞にこのAさんの勤務実態を疑問視する記事が掲載されると、塩谷氏は浜松事務所の秘書を集めたそうです。

その時の説明は「(Aさんの)勤務実態はあった」という説明だけで、後日、Bさんというスタッフが真相究明を求めたそうですが、「必要ない」と突っぱねられたとの事です。

具体的には、以下のようなやり取りがあったと言います。

Bさん 「究明すべきでしょう」
塩谷氏 「いいの! そんなことは。それやって、何になるんだ!」
Bさん 「納得いくようにして下さい」
塩谷氏 「俺は知らないんだから……。渡辺をちゃんと追及しなよ」
Bさん 「問題じゃないですか」
塩谷氏 「仮にね、仮に(Aさんの勤務の)実態がなくてね、そうなったら、それでいいの?」
引用:「週刊文春」2017年9月21日号

このやり取りに疑問を呈したというBさんに、週刊文春は取材を敢行したようですが、それに対しBさんは以下のような回答をされたようです。

浜松事務所では、渡辺氏が決めたことなので、Aさんが公設に就いていたことを知りませんでした。

事務所として質問すべきことだから、(塩谷)先生に聞いたが、勤務実態を全く答えられなかった。

参照:「週刊文春」2017年9月21日号

さらに、この事務所の秘書の給与を巡っては、以下のような別の疑惑もあるそうです。

2010年5月にアルバイトで公設になったCさんという方が居た。

その年の5月、6月の給与と賞与の、総額85万円を渡辺秘書に引き出され、「事務所で使わせていただく」と、経費として使われてしまった。

参照:「週刊文春」2017年9月21日号

この疑惑に対し、週刊文春がCさんを直撃すると、Cさんは以下のように答えたそうです。

会館にいる時、渡辺さんに暗証番号を聞かれ「ちょっと貸してくれる?」とキャッシュカードを持っていかれました。

「この業界は給料が一カ月後払いだから」などと言われ、納得はいきませんでしたが、逆らうと、この先働けなくなるのではないかと不安になり、従わざるを得ませんでした。

引用:「週刊文春」2017年9月21日号

さらに証拠としてCさんが提出した通帳には、2010年6月30日付で衆議院から2カ月分の給与と賞与、総額84万9786円の振り込み記録があり、また7月16日にちょうど85万円が引き出されていたとの事です。

これについて、週刊文春の記事で、元東京地検特捜部の郷原信郎弁護士は、以下のように語っていたようです。

秘書本人に渡さず、事務所経費に充てるつもりで、国に給与として請求したなら詐欺に当たり、時効は七年です。

引用:「週刊文春」2017年9月21日号

そしてさらに、塩谷氏の事務所では以下のような、お金に関するまた別の疑惑があったそうです。

  • 疑惑の対象は、塩谷氏が代表を務める自民党静岡県第八選挙区支部が入る浜松市内の建物
  • 登記簿によれば、この建物は塩谷氏が所有し、土地は支援企業の所有。
  • 支援企業は、「現在は地代として月額32万5500円を塩谷氏から受け取っている」と説明。
  • 一方、第八支部は、大家の塩谷氏に対し、2011年7月までは月額78万円、それ以降は月額66万円の家賃を政治資金から支払っているとの事。

つまり、塩谷氏は、自身の政治団体から家賃を受け取り、そこから地代を支援企業に支払っている構図との事です。

そして塩谷氏の収支決算を確認すると、2009年から7年間で受け取った家賃は約5300万円で、払った土地の賃借料を差し引いても、2500万円以上が残る計算との事です。

これについて週刊文春の記事内で、政治資金に詳しい上脇博之神戸学院大学教授は、

結果的に政治資金で不動産を購入したと見られても仕方ありません。

引用:「週刊文春」2017年9月21日号

と語っていたようです。

かなり長文になってしまいましたが、以上が「週刊文春」9月14日発売号に掲載された、塩谷立氏の「ダークマネー」疑惑に関する記事の概要となっています。

これに対し、週刊文春が塩谷氏を直撃すると、

(週刊文春) 秘書給与流用の疑いが。
(塩谷氏) 「そう?」
(週刊文春) A氏の勤務実態は?
(塩谷氏) 「知らない」
引用:「週刊文春」2017年9月21日号

とだけ回答したとの事です。

そして、改めて週刊文春が書面で聞くと、以下のような回答があったそうです。

A氏は会館に勤務し、秘書業務のほかHPなどの担当もしていた。

結婚し、転居後も出産までは会館に通勤し、出産の前後は産休を取得。

2010年6月から翌年1月初めまでは、日程管理や資料作成、HPの作成管理などをしていた。

(Cさんの給与引き出しについては)預金通帳などの管理は全く承知していない。

Cさんの意思に反して引き出せるはずもない。

(事務所費については)事務所の所有者は政党支部。

政党支部では登記ができないので代表者(塩谷氏)の名義としている。

(地代は)政党支部から代表者を経由して支出している。

きちんと管理し決して私物化はしない。

参照:「週刊文春」2017年9月21日号

また、塩谷事務所は、Bさんとのやり取りで、勤務実態を答えなかった点については、

塩谷が海外出張中で確認できませんが、浜松事務所内ではやり取りを確認した者はおりませんでした。

客観的な証拠に基づきその発言の信憑性を判断されるようお願いいたします。

引用:「週刊文春」2017年9月21日号

と回答。

しかし、これに対しBさんは、

私がウソをついていると言われるのであれば、真実をお伝えするために提供せざるをえません。

引用:「週刊文春」2017年9月21日号

と語り、会話を録音したレコーダーを週刊文春の記者に手渡したとの事です。

という事で、この報道をざっくりとまとめると、

  1. 勤務実態がほとんどない元秘書に対し、公設秘書としての給与が支払われていた
  2. アルバイトで入った元秘書の給与が、事務所の経費として使用されてしまった
  3. 塩谷氏が、事務所が入る建物について、支払う地代より多くの家賃を自身の政治団体から受け取り、差額を浮かせていた

といった3件の疑惑があったようですが、これらに対して塩谷氏側は全面的に否定されているようですね。

これらの疑惑の真相については、現時点ではハッキリしていないようですが、この報道が以下に記載する塩谷氏の元秘書の自殺につながってしまったようです。

塩谷立議員の元秘書が自殺 経緯や理由などフラッシュ記事の概要

それでは、続いては9月26日発売の「週刊FLASH」が報じた塩谷立氏の元秘書の自殺の概要について、お伝えしたいと思います。

まず、フラッシュは今回自殺された塩谷氏の元秘書をAさんと呼んでいます。

そしてAさんは9月15日、自宅から少し離れた浜松市内の河川で、遺体で見つかったと言います。

発見時の状況から、警察は自殺と判断したそうです。

Aさんは、まだ30代の若い方だったそうです。

Aさんは塩谷氏の地元事務所の元公設秘書として、議員の代理で地域の集会に出たり、陳情を永田町の事務所に伝えたり、秘書業務を真面目にこなしていたと言います。(地元政界関係者談)

そんなAさんの今回の死には、9月14日に発売された週刊文春に掲載された、塩谷氏の事務所の秘書給与疑惑の記事が関係していたそうです。

(詳細は前段落に記載した通りです。)

塩谷事務所で2007年~2011年まで務めていた女性公設秘書には「結婚して静岡県藤枝市で子育てをしている」という証言があり、勤務実態がない疑惑がありましたが、この件について真相究明を求めた、前段落で言うところのBさんという元秘書に対し、塩谷氏はそれを突っぱねたと文春は報じていました。

そして、週刊文春で報じられた記事の「Bという秘書」が、今回のフラッシュがAさんと表現する方ではないか考え、塩谷事務所はフラッシュが言うこのAさんを問い詰めたそうです。

最終的に、Aさんはこれを認めたのだそうです。

こうして、この疑惑を告発したAさんは精神的に追い詰められていったと言います。

提供した情報を撤回し、「文春」に記事を差し止めるよう要求しろ、と言われたそうです。

11日になって「大変なことになってしまった」と話していました。(知人)

引用:「週刊FLASH」2017.9.26発売号

また、Aさんの遺体が発見されたのは、「文春」の発売翌日でした。

さらに、

発端は、Aさんが出馬した2015年の浜松市議選にある。

と、Aさんの当時の支援者はフラッシュに語ったそうです。

何でも、当時36歳だったAさんは、あるベテラン市議の後継として擁立されたそうです。

塩谷先生の若い秘書として地元では知られていたため、当選するものと思われていたようですが、擁立にあたり、塩谷氏の根回しが不十分だったそうで、結果、反発したベテラン市議が立候補してしまい、Aさんは落選してしまったそうです。

それでもAさんは諦めず、地元の集会に出たり、政治活動を継続。

しかし、2019年の浜松市議選には、塩谷事務所の別の現役秘書が、Aさんと同じ選挙区から立候補する事が内定したそうです。

今年Aさんが夏祭りに行った際、追い返されるような事があったそうで、ひどく落ち込んでいたとの事です。

そんな状況からか、Aさんは将来に悩んでいたと言われています。

フラッシュは、今回の塩谷氏のダークマネー疑惑について、文春編集部に問い合わせたものの、「取材過程についての回答は控えさせて頂く」と回答され、また塩谷氏の事務所からは締め切りまでに回答がなかったとの事です。

そこで、フラッシュは21日夕方、党本部を出る塩谷氏を直撃。

(フラッシュ) Aさんが自殺されました。

(塩谷氏) うん、うん、知ってる。

(フラッシュ) 「文春」発売前に、Aさんを事務所に呼び出して問いつめた。彼は憔悴していたそうです。

(塩谷氏) 僕は海外にいたから。(憔悴していたことは)わかんない。なんでそういうことになったのか、聞いていたら教えてほしいよ。なんで死んだのか。

(フラッシュ) 「文春」へ告発したのはAさんだったのか。

(塩谷氏) 彼が語ったことは知っています。

(フラッシュ) Aさんは市議選への支援が受けられずに落ち込んでいた。

(塩谷氏) そんなことはないよ。

(フラッシュ) 今日は告別式だが…。

(塩谷氏) 僕は今から行きますから。

引用:「週刊FLASH」2017.9.26発売号

しかし、Aさんの通夜には、塩谷氏や事務所からは供花(きょうか)もなかったと言います。

フラッシュによると、Aさんの母親は、

お話することはありません。

と話したそうです。

また、告別式の夜、Aさんの自宅を再び訪ねると、友人らしい男性が、フラッシュの「塩谷氏は来たのか」という問いに対し、驚いた顔で、

えっ、塩谷さんや事務所から連絡や問い合わせはありません。

来る予定もないはずです。

もう、関わりもありません。

引用:「週刊FLASH」2017.9.26発売号

と答えたとの事です。

以上がフラッシュの記事の概要ですが、この疑惑の真相についてはハッキリとは断言出来ませんが、今回のAさんの死はあまりに悲しすぎる気がします。

フラッシュの記事の内容が事実なら、塩谷氏や事務所は、元秘書に対して十分な支援を行わなかったばかりか、葬儀にも誰も顔を出さないというのは、塩谷氏や事務所側とAさんとの間には、相当な確執のようなものが生じていたのかも知れませんね。

終わりに

という事で、「週刊FLASH」2017.9.26発売号が報じた塩谷立衆議院議員の元秘書死去について、その一因と考えられる先日の「週刊文春」の報道も含めて、お伝えさせて頂きました。

軽はずみにこの件について言及する事は出来ませんが、今回のフラッシュの報道によって、塩谷氏の「ダークマネー」疑惑や元秘書のAさんへの対応について、説明が求められる可能性は考えられそうです。

今後も新情報など判明しましたら、随時追記させて頂きたいと思います。