女優として活躍されている鈴木砂羽(すずきさわ)さんですが、主演と演出を務める舞台「結婚の条件」を巡ってトラブルが発生しているようです。
同舞台に出演される予定だった女優の鳳恵弥(おおとりえみ)さんと牧野美千子(まきのみちこ)さんが、鈴木さんらから「人道にもとる行為を受けた」事が原因で、出演が降板となったと、2人の所属事務所・「しぃぼるとぷろだくしょん(Siebold Production)」が発表したのです。
しかし鈴木さん側は、この内容は事実ではないと真っ向から否定しています。
この記事では、鈴木砂羽さんと舞台「結婚の条件」の共演者および関係者の間で起こったトラブルの概要や、双方の主張、またネット上の推測など交えながらこのトラブルについて考察してみたいと思います。
鈴木砂羽(すずきさわ)が初演出舞台「結婚の条件」で出演者とトラブル 問題の概要
まずは、今回報じられた鈴木砂羽さんを巡るトラブル報道の内容について、ざっと見ていきたいと思います。
冒頭でもお伝えした通り、今回、鈴木さんが主演と演出を務める舞台「結婚の条件」の出演を降板されたのは、女優の鳳恵弥さん(36)と牧野美千子さん(52)のお二人でした。
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— 鳳恵弥 (@ohtoriemi) March 26, 2019
女優の鳳恵弥(おおとりえみ)さん
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— 牧野美千子 (@MICO2617) March 4, 2019
女優の牧野美千子(まきのみちこ)さん
お二人は「しぃぼるとぷろだくしょん(Siebold Production)」という事務所に所属されていて、9月13日~18日まで舞台「結婚の条件」に出演予定だったのですが、9月11日23時前、事務所の公式フェイスブックにて、突然の降板が発表されました。
その理由については、同事務所が以下のように説明しています。
演出鈴木砂羽氏より二人の受けました人道にもとる数々の行為に対しまして、弊社と主催側で検討をしました結果、残念ながらこれ以上の稽古及び舞台への出演をお受けすることは出来ないと判断し出演をお断りする運びとなりました。
また、この発表に伴い、降板された鳳さんと牧野さんもそれぞれのブログ上で、この件について言及。
特に鳳さんの方は、「人道にもとる行為の数々」についてかなり痛烈に述べられていたようです。
一方の牧野さんは、「降板は正しかったのか分からない」といったような悩める心境を綴っていました。
また、今回の騒動のもう一人の重要な関係者が、舞台「結婚の条件」の脚本家で主宰(しゅさい)の江頭美智留(えがしらみちる)さんなのですが、上述の2人の女優さんや事務所側の主張では、江頭さんも鈴木さんから謝罪を強要されていたと言います。
しかしその後、江頭美智留さんは上記の女優さんや事務所の主張に対し、FAXを通じて「事実と違います」と全否定する展開に。
江頭さんはFAXやマネージャーを通じて、”謝罪・土下座の強要や、鈴木さんが代役を独断で立て、それに江頭さんが抗議をした事”などを否定していました。
(参照:JCASTニュース)
上記のような経緯から、この騒動の最も重要な点は、
江頭さんや鳳さん、牧野さんが、鈴木砂羽さんや演出助手から、罵声を浴びせられたり土下座を強要されたのは事実か否か
にあると思われます。
これについては、上記の通り、降板した女優さんやその所属事務所側と、劇団側の主張は大きく食い違っており、9月13日午前現在の時点では、互いの意見には隔たりがあるようです。
そこで次の段落では、もう少し両者の主張を具体的に比較検証してみたいと思います。
鳳恵弥の主張と鈴木砂羽・江頭美智留の主張
前述の内容の通り、今回の舞台「結婚の条件」に伴うトラブルの原因は、降板された女優さんや事務所側と、演出・鈴木砂羽さんや主宰・江頭美智留さんなどの劇団側の主張の食い違いにあると思われます。
という事で、まずは降板された女優さんやその事務所側の主張を見ていきたいと思いますが、これについては鳳さんのブログのコメントが一番詳しく記載されていましたので、そちらをもとにまとめます。
<鳳さんや所属事務所側の主張の要点>
- 9月9日、鳳さんと牧野さんは別の仕事のため稽古を早あがりしようとしたが、演出家の鈴木砂羽さんと演出助手(松倉良子さん)はふんぞり返り、脚本家で主宰の江頭さんに、頭を下げさせた(早あがりするお二人の件で)
- 1回目の通し稽古後、鳳さんと牧野さんは「2回通し稽古をしたかったのに誰かのせいで出来ない!」などと名指しにされ、罵声を受ける。
- 牧野さんが「すいませんでした」と謝る。これに対し、「ぬるいわね」と鈴木さん。
- その後、鳳さんは床に額を擦り付けて謝ることに。
- その姿に「私たちだけじゃなくてあちらにも」と、鈴木さんから他の共演者にも土下座を強要され、その通りに謝った鳳さん。
- この状況には鈴木さんのマネージャーを含め、流石に不味いと水入りに。
ただこの主張については、事務所側は「人道にもとる行為の数々…」とコメントしているので、同じような考えなのだと思いますが、一方の女優・牧野さんはブログの中で、
事務所に所属した以上、その指示に従うのは当然ですが、もし、自分がフリーだったら、同じ結論を出さなかったかも。とも。色んなことを飲み込んで、続行していたと思います。(中略)誰も恨んでおりませんし、恨もうとも思ってません。
などと発言されていましたので、鳳さんや事務所とは多少の温度差があるのかなとも感じられます。
一方の劇団側ですが、鈴木さん自身はこの件について明確な言及はされていないようですが、
鈴木の所属事務所は「土下座の強要も罵倒もない。鈴木は初日を成功させることに集中している」とコメントしており、…
引用:日刊スポーツ
との報道もありますので、やはり鳳さん達とは真っ向から主張が対立しているようです。
※追記※
鈴木さんは、今回のトラブルを受けて、以下のようなコメントをされていたようです。
鈴木は午後、会場入りの際、報道陣に向かって「今は自分ができることを、やらせていただくことしかできない。すみません」と神妙な面持ちで話し、頭を下げた。
引用:スポーツ報知
以上から、鈴木さんは土下座強要や罵声は否定しつつも、舞台はやり遂げようという気持ちのようですね。
この件で、劇団側を代表してコメントをされたのは脚本家の江頭さんでしたが、FAXで説明した今回の件に関する主張は以下のようになっているようです。
<劇団ク口ックガールズ主宰・江頭美智留さんの主張>
- 鈴木さんから促されて頭を下げた訳ではなく、自分のスケジュール確認のミスで二回目の通し稽古ができなくなったことから、自ら、キャスト、ス夕ッフに謝罪した。
- 「土下座」の件については、自分が謝罪した事で気を遣われた鳳さんと牧野さんも、流れで謝罪。通し稽古の後のダメ出し時だったので、キャスト全員が床に座った状態で、鳳さんも正座しており、そのまま頭を下げられたので、見た目が「土下座」という形になった。しかし、その場にいた自分が断言できるのは、鈴木さんから土下座をするようにとは決して言っていない。
- また、報道にある「罵声を浴びせた」という事実も全くない。
と、鳳さん達の主張を完全否定していたようです。(今回の降板トラブルを引き起こした責任は自分にあると、鳳さん、牧野さんに謝罪の気持ちは綴られていましたが…。)
上記の双方の主張から、
- 江頭さんが鈴木さんに謝罪した
- 鳳さんが頭を床に付けて謝罪した
というのは事実のようですが、それが強要であったか否かについては、意見が食い違っているようですね…。
※追記※
9月14日の報道で、主宰・江頭さんのマネージャーが今回の件について言及していたようです。
降板した2人の側の主張はほぼ虚言であると断言。
また2人は江頭氏の“信者”と呼べるほど江頭氏を崇拝しており、演出を担った鈴木が江頭氏の書いた台詞を書き換えるなどしたことに良い感情を持っていなかった可能性も示唆した。
引用:デイリースポーツ
さらに、2人の降板が決定した時、降板者側の希望は「公演中止、もしくは鈴木さんのパワハラによる降板を公式に発表するか」だったと言います。
さらに2人の所属事務所社長から、「幕は開きませんよ」「差し止めしますよ」「週刊誌から土下座の取材がうちに来ていますので」などと、11日未明に約5時間の電話で突きつけられ、江頭さんは一度は舞台の中止も考えていたのだそうです。
まあ、この主張は江頭さんのマネージャーのものですので、当然劇団側に有利なものとなっており、鵜呑みには出来ないのかも知れませんが、こうした主張も浮上しているようです。
舞台「結婚の条件」のトラブルに対する有名人やネットの反応
この騒動に伴い、テレビのコメンテーターやネット上などで様々な意見が上がっているようで、どちら側に責任があると捉えるかも賛否両論となっているようです。
以下、その一部を掲載いたします。
小劇場で短期間にやるような芝居って、演劇関係者って熱い人が多いから、稽古場でつかみ合いなんてのは日常茶飯事だと思うんだよ。それがなんでこんなことになっちゃったのか。
(中略)
砂羽さんのイメージにも影響しちゃうからね、ちょっと気の毒な感じがしますけど。
フリーアナウンサー・小倉智昭さん
引用:日刊スポーツ
(自分は)あんまり怒られるとか(ない)。
1カ月間とか稽古中を散々楽しんで本番迎えるっていうことが多いので。
チケット買われたお客さんが気の毒ですよね。
お笑い芸人・藤井隆さん
引用:日刊スポーツ
こんなバカなことあるわけない。
演出家(今回は鈴木さん)は出演者のスケジュール把握してスケジュール決めるんです。
(通し稽古は)仕上げですから。通し稽古中に既にスケジュールを入れるのはタブー。(降板した2人に対し)
土下座、土下座というが稽古が終わったら全員ありがとうございましたと手をつくのは当たり前。
公演2日前に降板なんてふざけた話はない。
出演すると決めたなら(降板は)お客さんに失礼です。
こんなんなら初めから断るべき。
役者は選ばれるのも演出家の勝手。
でも選ぶ権利も役者はある。
最後までやっておいて、もめたからって2日前に降板なんてとんでもない話。
俳優・梅沢富美男さん
引用:デイリースポーツ
パワハラとか書かれてますけど(演劇の世界では)普通ですから。
演出家はまずは人格否定から始まりますから。
俳優・高橋克実さん
引用:デイリースポーツ
パワハラがダメだとかいうけど、この世界はやりたい人が手を上げる世界。
仕事を無理矢理やってくれという仕事じゃない。
チケットを売っちゃってるんだから、一回乗ったらどんなに嫌な演出家でも、殺してやろうと思うディレクターでもやることはやんなきゃダメ。終わってから文句言って二度とあいつと仕事しないと(なればいい)。
お笑い芸人・カンニング竹山さん
引用:デイリースポーツ
芸能界からは、降板した2人に厳しい意見が多いようですね…。
<以下、2chの反応>
などと賛否両論なようですが、どちらが悪いというよりも、双方の捉え方や舞台への価値観の違いが、今回の騒動の原因だったのかも知れませんね。
事前に稽古を早退すると連絡していた鳳さんと牧野さんだったようですが、上手く伝達がいっていなくて、思わぬ予定変更になったと捉えた鈴木さんが怒ってしまった(忘れていたのかも知れませんが…)。
もしそうならば、お互いに自分の方が筋が通っていると思うでしょうし、衝突となっても不思議ではありません。
またこれまでの報道から、降板された2人の側と演出・鈴木さん側は、降板騒動が起こる以前に舞台に対する価値観の違いなどで、関係はよろしくなかったのかも知れません。
今回の結果となったのは、双方ともに、またこの舞台を待っていたファンの方にとっても残念なものだったとは思いますが、前を向きなおして、今後のお仕事に励んで頂きたいですね…。
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