タンス航空204便墜落事故!ペルーのリマ発,旅客機が高速道路に墜落の原因とは?

タンス航空204便墜落事故!ペルーのリマ発,旅客機が高速道路に墜落の原因とは?

現在では海外旅行をされる方も増えて、多くの方に利用されている旅客機ですが、100%安全とは言い切れませんし、ひとたび事故が起こると、その被害の甚大さが恐ろしいですよね。

これまでにも、世界中で飛行機の事故は多く起こってきましたが、そのひとつに、2005年ペルーで起きたタンス航空204便墜落事故があります。

このタンス航空204便は、ペルーのプカルパ空港近郊の高速道路付近に墜落、多くの犠牲者を出す悲劇を生み出しました。

今回はそんなタンス航空204便墜落事故の、経緯や被害、墜落原因などについて調べてみたいと思います。

タンス航空204便墜落事故とは? 事故の概要と経緯

それではまずはタンス航空204便の墜落した経緯や、事故の概要についてご説明したいと思います。

2005年8月23日、ペルー国営のタンス航空が所有するタンス航空204便は、ペルーの首都リマの空港(ホルヘ・チャベス国際空港)を離陸して、ウカヤリ県プカルパ市のプカルパ空港に向かっていました。

204便に使用されていた機体はこの事故の24年前、1981年に製造されたボーイング737-200(機体記号OB-1809-P)で、乗客はアメリカ人11名、イタリア人2名、スペイン人1名、コロンビア人1名、オーストラリア人1名の外国人を含む92名で、乗員は6名でした。

しかしリマ空港を離陸し、飛行中の204便を、激しい雨や雹(ヒョウ)が襲い掛かる事になります。

そして急激に悪化した視界の中、操縦士達は必死に滑走路を探しましたが、現地時間午後3時6分に、204便はプカルパ空港から3kmほど離れた高速道路近くの沼地に墜落。

機体は真っ二つに割れ、激しい炎に包まれました。

助かった乗客の話によると、「衝撃を感じた後、客室が炎に包まれた。 (機体の)穴を見つけてはい出した」との事で、事故の悲惨さが覗えます。

タンス航空204便墜落の被害 旅客機はペルー高速道路へ

この墜落によって、乗客乗員98名のうち、パイロット3名を含む乗員5名と、乗客35名の計40名が亡くなられました。

操縦士達の懸命のフライトも虚しく、およそ半数近くの方が亡くなられたという事で、事故の衝撃は相当なものだったと思われます。

そしてプカルパ空港近郊の、高速道路付近に墜落した204便でしたが、なんと現地民の方々が換金目的で、ブラックボックス(フライトデータレコーダー)を含む機体の一部を持ち去ってしまうという事態が発生しました。

これによって、その後の事故原因の調査や究明が、難航する事になったと言われています。

(懸賞金をかけた結果、後日ブラックボックスは戻ってきたが、データがリセットされてしまっており、分析できなかったそうです。)

タンス航空204便の墜落理由、原因

上記の理由から、調査の難航したタンス空港204便の墜落原因でしたが、その後以下のような理由で事故は発生したことが分かりました。

まずは悪天候の中で、パイロットが2人とも滑走路を探している間、高度計を確認しなかった事が原因で、墜落。

プカルパ空港にはレーダーがなかったため、航空機の現在位置はパイロットが報告しなければならず、パイロットは悪天候の中で滑走路を目視で確認する必要がありました。

本来であれば1人が外を見ているときは、もう1人は計器を監視しなければならないのですが、正規の副操縦士が操縦室におらず、訓練中のパイロットはその手順に慣れていなかったため、計器の監視が疎かになってしまいます。

また操縦室のウインドシールドが、雹(ひょう)で損傷してクモの巣状にひびが入っており、天候に関係なく外が見えなくなっていたことも、残骸の調査で判明しました。

さらに墜落直前、地上接近警報が作動し、パイロットは操縦桿(そうじゅうかん、操作ハンドルの事)を引きましたが、エンジンの推力を増加させていなかったため、失速警報装置であるスティックシェイカーが作動します。

しかし機体が振動していたためパイロットはこのスティックシェイカー(安全の為の警報装置)にも気が付かず、エンジン操作をしないまま操縦桿を引き続けました。

その結果、結局機体は上昇できぬまま、森に墜落したのでした。

そして何よりこの事故を引き起こしてしまった最大の原因は、パイロットたちが規則を遵守せずに自分たちの操縦技術を過信したことだと言われています。

タンス航空のその後 パイロットの過信でタンス航空222便も墜落事故

とても甚大な被害を生んでしまった、このタンス航空204便の墜落事故でしたが、実はこの事故が発生する以前にも、2003年1月9日にも、タンス航空222便として運行していたフォッカー F28-1000が、悪天候のためペルー北部のジャングルに墜落し、乗員4名と乗客42名の全員が死亡するという事故が発生していました。

この事故の原因も、パイロットたちの自身の操縦技術の過信による、規則を遵守しない操縦によるものでした。

そしてタンス航空は2006年に経営破綻し、運行停止になりました。

これほどまでの大きな被害が発生しても、同じような墜落事故が起きた事はとても残念に思われます。

飛行機の事故は確率的にはかなり低いはずですが、同じ航空会社が立て続けに、このような大事故を起こした事は、やはりタンス航空の運営や教育などに問題があったのでしょう。

そして同じことは現在も運行する、世界中の航空会社にも言える事だと思います。

快適な反面、航空機の飛行にはとても大きなリスクが伴っている事を常に忘れずに、安全なフライトを提供して頂きたいですね。

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