私達の身の回りには、食物アレルギーをはじめ、動物や植物や金属など、様々なアレルギーの危険性が潜んでいます。
いずれかの症状を抱えて、苦労された事のある方も多いのではないかと思いますし、一言でアレルギーと言っても、その症状は様々で、自覚しないままに発症されている場合もあるそうです。
そしてまだまだ寒い日が続いていますが、この季節に使用が増える羽毛布団やダウンコートなどによって、鳥アレルギーというアレルギー反応を、発症される方が増えるんだそうです。
今回はそんな鳥アレルギーについて、その症状をはじめ、原因や対策方法なども探ってみたいと思います。
鳥(とり)アレルギーとは? 鳥関連過敏性肺炎の症状
まず鳥アレルギーというアレルギー反応は、「鳥関連過敏性肺炎」とも呼ばれ、その名の通り、鳥に関連する物質などを肺に吸引する事で、引き起こします。
具体的には、鳥の羽毛や、排泄物に含まれる、微小なたんぱく質や真菌等を吸い込むことにより、それを抗原としたアレルギー反応が起き、肺の中の間質という部分に過剰な炎症が起こる、間質性肺炎を引き起こす病気です。
症状としては、痰(たん)を伴わない乾いた咳や、息苦しさなどが現れます。
急性の肺炎が起きると、38度を超える高熱が出る場合もあるそうですが、風邪と症状が似ているため、気付かないケースも多く、また鳥関連であるという診断が難しい為、原因不明の間質性肺炎と診断されてしまう場合も多いようです。
また日本国内の、鳥関連過敏性肺炎の潜在的な患者数は、6千人程度と推定されているそうです。
そして鳥アレルギーによって引き起こされる、間質性肺炎が悪化すると、肺線維症という病気に発展し、肺の線維化がひどいと5年生存率が50%くらいになり、肺がんの発症率も高まると言われているようです。
さらにこの肺線維症は進行を抑える治療はある程度可能なようですが、完治が難しい病気となっています。
鳥(とり)アレルギーの原因・理由は? 羽毛布団やダウンジャケットも危ない?
鳥アレルギーが起こるメカニズムについては、前項でも少しご説明しましたが、その実質的な要因は、鳥自体は勿論の事、鳥由来の様々なものでも、アレルギーが起こるそうです。
私達の生活に中で考えられる原因は、主に、
- インコやオウムなどを飼育する
- 羽毛布団、ダウンジャケットなどの羽毛を使用した製品を使う、触れる
- 満員電車等で、ダウンジャケットなどを着た人と接近する
- ハトが多くいる社寺や公園に近付く
- 鶏ふん肥料を使っている畑の近くに住む
- 養鶏場の近くを通る
- 鳥の剥製を室内に置く
- 過去に2年以上、鳥を飼った事がある
など、鳥の身体から生じるあらゆるものや接触が、アレルギーの原因に繋がるようです。
そしてこの病気は、誰にでも発症の可能性があると言われています。
特に鳥を飼っている方や、呼吸器が弱い、感受性が高い、アレルギー体質の方などは、罹りやすくなる為、出来るだけ抗原にさらされないように、対策を取る必要が有ります。
鳥(とり)アレルギーの予防・対策や治療
それでは具体的にはどのような対策法が有効かと言うと、
- 鳥の飼育、鳥との接触を避ける
- 羽毛製品(羽毛布団、枕、ジャケット、鳥の剥製など)の使用をやめる
- 外出時は(目の細かい)マスクをし、肺にブルームや菌を吸引するのを防ぐ
などの方法が推奨されています。
また特発性間質性肺炎と診断されたら、鳥関連過敏性肺炎も疑うことが大切だと言われていますし、自費(保険適用外)になりますが、一般の医療機関でも血液検査で抗体の有無を調べることができるそうです。
治療にはステロイド薬も有効とされていますが、抗原を徹底的に回避することが重要だとも言われています。
まとめ
という事で今回は、寒さの続くこの時期に、増えると言われる鳥アレルギーについて、症状から対策法まで調べてみました。
鳥が好きな方や飼育されている方には辛い病気ですが、そうでない場合でも、衣類や住環境などによって引き起こされる可能性があるので、注意しなければなりませんし、少しでも兆候が見られたら、早めの対策が大切だなと感じました。
風邪やハウスダストなどとも間違えやすいですし、どうしても検査などは億劫になりがちですが、ひとつの知識として、この病気の存在だけでも、頭の片隅に入れておかれても良いかと思われます。