宮崎市のリゾート施設「シーガイア」の中核施設だった大型屋内プール「オーシャンドーム」の解体作業が進んでいる事が話題となっています。
2007年に閉鎖された同施設は、昨年8月から解体工事が始まり、建屋はほぼ撤去されたそうです。
今回はギネス世界記録にも認定され、話題となった世界最大の屋内遊泳施設であったオーシャンドームについて、これまでの歴史や何故撤去されたのかなど調べてみたいと思います。
オーシャンドームとはどんな施設? 概要や歴史について
それではまずはオーシャンドームの概要や、開業から閉鎖までの経緯について見ていきたいと思います。
— ねたろう (@cQxPGoKcnpEOn4Y) February 14, 2020
オーシャンドームとはリゾート施設「フェニックス・シーガイア・リゾート」の中にあった全天候型プールで、シーガイアリゾートのランドマーク的存在として、全面オープンに先立つ1993年7月30日に先行オープンしました。
10万本の松の木を伐採した跡地に造られた施設で、奥行き300m、幅100mで、高さは38mで、、「世界最大の室内ウォーターパーク」としてギネスに登録されました。
しかし、入場客数は予想を大きく下回り、巨額な累積赤字のため経営が行き詰まってしまいます。
フェニックスリゾート自体が、構想時の計画よりも経営不振に陥っていたようですが、その中でもランドマークとして建設されたオーシャンドームの不振は、施設全体の経営破綻に拍車をかけます。
そしてフェニックスリゾートは2001年にアメリカのリップルウッドに買収されますが、その後オーシャンドームは季節限定営業などが試みられましたが、それでも入場客の減少が続いたため、2007年9月30日をもって閉鎖されました。
その後も宮崎県と宮崎市に対して無償提供による活用を申し出たり、2012年にセガサミーホールディングスが買収した以降は、同社が活用に意欲を見せていましたが、いずれも維持費や老朽化に伴う改修費など費用が大きいとして、2014年に解体の方針が決定、そして昨年8月よりついにその工事が開始されていました。
ギネス記録を持っていたり、美しい景観に囲まれていたり、素敵な施設だと思いますし、外国人観光客の方などには人気が出そうなんですがね。
やはりこれだけ巨大な施設だと、維持費や人件費など出費の方もかさんでしまうんでしょうね。
オーシャンドーム閉鎖・解体の原因は?
オーシャンドームが解体された理由は、上記のように「活用したくとも、改修費や維持費を回収出来ない」というのが、その主な理由ですが、ではなぜ黒字化出来るだけの集客が出来なかったのでしょうか?
幾つもの問題点が複合的に重なって構想時の集客が見込めなかったんだと思いますが、
- 休みの日などは賑わいをみせるが、平日は閑散として、恒常的に利用者が集まらなかった。
- 当初の入場料が大人4200円と高すぎた。
- 交通の便が悪く、構想時にあった長崎のハウステンボスや、福岡の福岡ドームと連携して集客するというのが実質無理があった。
- そしてバブル崩壊というタイミングが重なった。
といった点が指摘されているようです。
確かにこんな贅沢なリゾート地へ、頻繁に通われる方は少数でしょうし、不況や倹約志向、娯楽の多様化などが進んでいるのも要因かも知れませんね。
今後は? 跡地の利用法など
そして解体・撤去は今年の4月に完了する見込みとの事ですが、明確に跡地の使途は決まっていないようです。
屋外競技用のアスリート強化拠点やナショナルトレーニングセンターの誘致を目指しているとの事ですが、せっかく大量の木を伐採して拓かれた場所ですので、エコの観点からも出来れば有効に活用してほしいなと思いますね!