1992年のイギリスで、ひとつの驚きの詐欺事件が巻き起こりました。
なんと被害者は犯人に10年にもおよんで、拘束・搾取され続け、巧妙に洗脳されていたのです。
この話は3月16日放送のフジテレビ系「奇跡体験!アンビリバボー」でも放送されるようですが、一体なぜそのような事件が起こってしまったのでしょうか?
今回はこの奇妙な詐欺・洗脳事件の詳細について、調べてみたいと思います。
*3月16日放送「奇跡体験!アンビリバボー」の関連記事「ジャスティン・スミスが凍死から奇跡の生還!驚愕の蘇生法とは?」はコチラ!
目次
ロバートフリーガードがサラスミスらに行った詐欺・洗脳事件の概要や経緯
それでは初めに、この事件の概要について見ていきたいと思います。
— ねたろう (@cQxPGoKcnpEOn4Y) February 9, 2020
サラ・スミス(左)とロバート・フリーガード(右)
まずこの事件の発端となったのは、1992年のイギリスの、シュロップシャー州ニューポートという場所にあったパブ「The Swan」で、ハーパー・アダムズ農業大学4年生の女子大生だったサラ・スミスと、その親友のジョン・アトキンソン、そして2人に遅れて当時働き始めたばかりのロバート・フリーガードの3人は、「The Swan」で次第に親しくなっていきました。
そんなある日の事、ジョンの親友が自殺するという悲劇が起こります。
しかしロバートによれば、このジョンの親友の死は自殺ではなく、IRAのテロリストに殺されたのだと言うのです。
確かに当時のイギリスでは、このIRA(北アイルランドの分離独立を目指すテロ組織)によるテロや暗殺事件が多発していました。
またロバートは、サラ・スミスとその友人であるジョン・アトキンソン、マリア・ヘンディの3人にこう説明しました。
「自分はイギリスのIRA支部を調査しているMI5(Military Intelligence Section 5、軍情報部第5課)のスパイである」、「3人はテロリスト達のヒットリストに載っている」
この話を信じてしまったサラ達は、命の危険を感じるようになり、過酷な逃亡生活が始まるのでした。
サラスミスがロバートフリーガードにされた詐欺や洗脳の10年間 逮捕・解放まで
では、命の危険があると告げられたサラ達は、具体的にどんな行動を取ったのでしょうか?
ロバートの言葉を信じきってしまったサラ達は、常に狙撃兵の弾丸を恐れるようになり、低料金の仕事で働き、外見を変え数多くの偽名を使い、家族や友人との関係さえ断ち切り、ロバートの指示に従いながら、逃亡と隠れる暮らしを始めました。
そしてシェフィールドに移動し、サラ達はロバートに全財産を渡しました。
またロバートは3人の外出を禁止しました。
さらにロバートは、ジョンやサラの両親にお金を送るように指示し、多額の金銭を搾取し、高級車を購入したり裕福な生活費に充てていたようですが、サラとジョンには良い食事さえ与えなかったようです。
最終的にグループは分裂しますが、このうちの女性一人が、つまりマリア・ヘンディがロバートのミステリアスな魅力に惹かれ恋人になり、2人の子供を産みます。
しかし、マリアが一連の真実を知った時、ロバートは「誰かに話したら殺す」と脅し、結局その後もサラは、奴隷のような生活から解放される事はありませんでした。
その後もサラは時には飢え、またロバートの許可なしには何もせずに、10年の月日を過酷な生活に費やしました。
それでもサラにとってロバートは、世界で唯一信用出来る人間に見えていたのです。
しかし2002年、ある出来事をきっかけに、事件は解決の方向へと動き出します。
スコットランドヤード警察がそんなサラが清掃していた家を訪れ、全ての事情を説明したのです。
警察の話によると、ロバートはMI5の人間などではなく、他にも似たような手口で多くの人達を騙していた詐欺師だったのです!
最初はその話を信じられなかったというサラでしたが、それほど巧妙で洗練された洗脳を受けていたのでしょうね。
しかし、ロバートは逮捕され、サラは解放されました。
そしてサラは、徐々に回復し、人生の再建の道を今も歩まれているようです。
ロバート・ヘンリー・フリーガードのプロフィール・経歴
では、上記のような、にわかには信じがたい詐欺事件を行った、ロバート・ヘンリー・フリーガードという男は一体どんな人物だったのでしょうか?
ロバートは1971年3月1日生まれの現在45歳のイギリス人で、ダービーシャー州のホドソープで生まれたようです。
モロッコでのバーテンダー、車のセールスマン、偽MI5のエージェントなどを装い、多くの人達を騙してきた詐欺師で、2002年の逮捕までに多額の金額を騙し取っていたようです。
最終的にはスコットランドヤードとFBIのおとり捜査によって、ロバートはヒースロー空港で逮捕されるのですが、ロバートは陰謀説を主張し後の裁判で争われました。
2005年6月には8ヶ月に及ぶ裁判の結果、2回の拉致、10件の窃盗、8件の欺瞞で有罪判決を受け、一旦は終身刑が決まったようですが、ロバートは子供の誘拐罪を訴え勝訴した事により、現在は終身刑は免れているようです。
サラ・スミスの現在
という事で、1992年にイギリスのニューポートという場所で起こった、驚愕の洗脳・詐欺事件の概要や経緯などについてご紹介させていただきました。
そして解放されてから、サラはインタビューに応え、この一連の事件に関する本も出版されました。
そしてサラの内面は未だ混乱状態にあるそうで、ロバートの精神的残虐行為によって受けた傷は、完全には癒えていないそうです。
またサラは、以下のように語っています。
「私は非常に多くの後悔をしているが、再び人生を一つにしようとしている。
今私は、フリーガードが私を傷つけたのと同じ苦しみを、他の女性が経験しないようにしたい。」
ロバートによって、サラをはじめ多くの人達が、その卑劣な手口で貴重な時間や財産を失い、人生を狂わされてしまいましたが、無事に生きて解放された事が、せめてもの救いなのかなと感じました。
どれだけ防犯技術や対策が発達しても、こうした人の心の隙間に付け込んでくる犯罪者が居なくならない限り、詐欺などの被害はなくならないのかなと思いますね。
被害者の方達の、今後の人生の再建と幸せを願っています!
*3月16日放送「奇跡体験!アンビリバボー」の関連記事「ジャスティン・スミスが凍死から奇跡の生還!驚愕の蘇生法とは?」はコチラ!